米軍が特殊部隊と海兵隊の少数精鋭兵力を台湾に配置し、台湾の軍人と合同軍事訓練を続けてきたと、ウォールストリートジャーナル（ＷＳＪ）が７日（現地時間）報じた。米軍兵力の台湾配置が事実と確認される場合、「一つの中国」原則を強調しながら両岸問題への米国の介入に反対してきた中国が強く反発すると予想される。

ＷＳＪはこの日、米政府関係者を引用し、２０人規模の米軍特殊部隊が台湾陸軍の一部の部隊の訓練を支援してきた、と伝えた。また、米海兵隊も台湾海軍とボート訓練を実施した。米軍は少なくとも１年間は台湾現地で秘密裏に作戦を遂行してきたという。

米軍のこうした動きは、数年間続く中国の軍事力増強と最近の脅威に対応して台湾防御を強化する米国の象徴的な努力だと、この関係者はＷＳＪに話した。台湾が米国から各種先端武器を相次いで導入して軍事力を拡充しているが、台湾の戦術的能力に対する米国防総省の懸念を見せているという説明だ。


クリストファー・マイヤー米国防次官補（特殊作戦・低強度紛争担当）は５月、上院軍事委員会の承認公聴会で「米国は台湾の力量強化を支援するため兵力配置を強く検討する必要がある」と述べていた。当時、島嶼防衛に必要な作戦の訓練の必要性と共に特殊作戦部隊に言及しながら「我々が強く考慮すべき事項だと考える」と強調した。

米国政府の元・現高官と軍事専門家は、米軍と台湾軍の部隊間の合同訓練強化が単に台湾に軍事装備を売ることより効果的だと判断している。ただ、ホワイトハウスと米国防総省は米軍の台湾内での訓練への言及は避けたと、ＷＳＪは伝えた。ある米軍関係者は「（台湾内の）米軍兵力は循環兵力であり、スケジュールによって可変的に運営される」と説明した。

中国は１日から４日連続で台湾防空識別圏（ＡＤＩＺ）に延べ１５０機の軍用機を無断進入させ、武力示威を行った。台湾政府によると、中国が動員した軍用機にはＪ－１６戦闘機、Ｈ－６戦略爆撃機、Ｙ－８潜水艦爆撃機が含まれていた。

米軍幹部らは今後６年以内に中国が台湾を侵攻する可能性を提起してきた。一部ではその時期がさらに早まるという見方もある。中国も必要なら台湾を武力で掌握すると過去に公言している。台湾の邱国正国防部長は６日、「中国が２０２５年以降、台湾に対する全面攻撃を強行する可能性がある」と警告した。

ポッティンジャー元米大統領副補佐官はＷＳＪのインタビューで「台湾は過去１５年間、国防を徹底してこなかった」とし「紛争が発生する場合、１時間以内に破壊できる高価な装備を購入しながらも、中国の戦争計画に致命的な対艦ミサイルや精鋭兵力訓練には関心を持たなかった」と指摘した。

米中間の緊張を考慮すると、米軍の台湾配置は政治的にも敏感な事案だと、米高官らはＷＳＪに伝えた。中国は米軍の動きを約束違反とみる可能性が高い。米国は１９７９年に中国と国交正常化しながら「一つの中国」を確認し、台湾からすべての兵力を撤収させた。

これに先立ちＡＤＩＺ事態で米国が中国の挑発の動きに懸念を表した際、中国外務省は声明で「米国が事前の合意を遵守し、台湾に対する軍事的支援を中断することを促す」とし「中国は主権を守って領土を保全するために必要なあらゆる措置を取る」と明らかにした。

今回の事案は年内にオンラインで行われる予定の米中首脳会談でも議題に反映される可能性がある。両国は南シナ海問題、通商政策、新疆ウイグル自治区の人権弾圧などで対立していて、台湾問題で衝突する場合、米中の溝はさらに深まるとみられる。