韓国与党が再配備を検討している戦術核は戦場で敵の目標物を打撃する核兵器を意味する。非戦略（ｎｏｎ－ｓｔｒａｔｅｇｉｃ）核とも呼ばれる。戦略核は大陸を越えて相手国内部の核心施設を攻撃する核兵器だ。戦術核は戦略核より射程距離が短く威力が弱い。

戦略核の運搬手段が大陸間弾道ミサイル（ＩＣＢＭ）・潜水艦発射弾道ミサイル（ＳＬＢＭ）・長距離戦略爆撃機なら、戦術核は短距離弾道ミサイル（ＳＲＢＭ）・クルーズミサイルのほか曲射砲で撃つことができ、魚雷・地雷にも核弾頭を搭載できる。リュックサックの大きさの容器に入れて運べる戦術核もある。

現在、米国は２３０個、ロシアは１９１０個の戦術核を保有していると推定される。


しかし戦術核と戦略核の区分が明確でない。２０２０年に米国の核兵器を管理する国家核安全保障局（ＮＮＳＡ）が実践配備したと明らかにした低出力核弾頭のＷ７６－２はＳＬＢＭの威力を５キロトン水準に減らしたのだ。北朝鮮とイランが地下に設置した核・ミサイル関連施設を攻撃する用途で使用するために開発した戦術核兵器だ。

半面、米空軍が戦闘機や爆撃機に搭載する戦術核爆弾のＢ６１の威力は３００キロトンを超える。Ｂ６１はステルス戦略爆撃機Ｂ－２にも搭載できる。この場合、戦略核兵器と呼ぶことができる。それで１９７０年の米ソ戦略武器制限交渉で扱われなかった核兵器はほとんど戦術核に分類する。

戦術核と戦略核を分けるのは韓国にとって大きな意味はない。韓半島（朝鮮半島）は土地が狭いため、威力が弱い核弾頭を積んだ北朝鮮の短距離ミサイルも韓国には戦略核のように脅威となるからだ。