小さくなっていく南極オゾン層の穴
世界気象機関(WMO)・国連環境計画(UNEP)・米国-欧州連合(EU)の政府機関などが共同評価して4年ごとに発表している報告書「オゾン層破壊の科学アセスメント」(SAOD)によると、地球大気圏のオゾン層が顕著に回復に向かっていることが明らかになった。
この分析では2040年までに1980年代水準のオゾン層に回復する可能性が高まったとしている。極地方の場合、やや時間がかかることが予想され、北極上空は2045年、南極上空は2066年に完全に回復すると報告書は予測した。
ペッテリ・ターラスWMO事務局長はこの日「オゾン措置は気候措置の先例を作る」とし「オゾン破壊化学物質の段階的除去に成功したのは、化石燃料の転換、温室効果ガスの削減、そして気温上昇制限などのために『急ぐべきこと』と『できること』は何かを教えてくれる」と述べた。
報告書の主著者である米国国立海洋大気局(NOAA)の科学者デービッド・フェイヒー氏もフロンガスに対する世界の共通した対応はモントリオール議定書が「歴史上最も成功した環境条約」としなければならないことを意味すると主張した。
またインガー・アンダーセンUNEP事務局長は、オゾン層の回復によって毎年200万人を皮膚がんから保護していると話した。
モントリオール議定書は1987年カナダ・モントリオールで締結されたオゾン層破壊に対処するための国連国際協約で1989年1月に正式に発効された。フロンガスとして知られているクロロフルオロカーボン(CFC)やハロンなどオゾン層破壊の主犯となる約100種類の気体物質生産の段階的削減などを含んでいる。
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