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【コラム】日帝時代の文化財海外流出を阻んだ澗松美術館がオンライン展…伝統文化の韓流、いざ第一歩(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
自分の客間を訪れた客に、目と心の保養となるものを何の代価もなく与えてくれるが、その客間は1年に2回計4週間しか開放しないという孤高の士、澗松(カンソン)美術館。ありふれた美術館のホームページさえ拒否していたこの士が、大切な書画や器物をオンライン空間に並べた姿に改めて驚く。月曜日からポータルサイトネイバーで開かれている「オンライン澗松文化展」の話だ。

澗松美術館がどんな存在かは、特に話す必要もないだろう。韓国の最も古い私立美術館〔前身である宝華閣(ボファガク)が建てられたのが1938年〕だというだけでなく、日帝時代に海外へ無差別に売られる危機に瀕した文化財を自身の財産をはたいて守った全ヒョン弼(チョン・ヒョンピル、雅号:澗松、1906~62)の魂が込められている場所だ。彼が守った文化財は、今回のオンライン展示にも出てくる『訓民正音解例本』(国宝第70号)、申潤福(シン・ユンボク)の『恵園傳神帖』(国宝第135号)、『青磁象嵌雲鶴文梅瓶』(国宝第68号)などそれこそ宝の中の宝といってもいいものだ。

澗松美術館のこうした高まいな趣旨と気性に圧倒されて、これまで観覧客は色々な不便にもかかわらず、あえて不平を言うことは珍しかった。半日も列をつくって待ち、古くて狭い空間で互いの隙間からかろうじて作品を見るのも、聖地巡礼者が甘受すべき一種の苦行と受けとめられていた。それにもかかわらず私はこのシラサギのような風貌の美術館が過度に頑固だと感じる時があった。何よりも、小さな美術館にさえある公式ウェブサイトがないのだ。昨年、変化の歩みを始めて澗松美術文化財団を設立する前までは、広報職員も特におらず代表電話に電話すれば受け手はみな研究員だった。定期展示のたびに観覧時間などささいな問い合わせの電話を受けていては研究に支障をきたさなかったのだろうか?


澗松美術館の公式ウェブサイトの不在を特に物足りないと思うようになったのは、数年前にオランダのフランス・ハルス美術館のウェブサイトを訪問して深い印象を受けてからだ。フランス・ハルス美術館は静物画・風景画・風俗画が集中的に発達した17世紀オランダ黄金時代の絵を集めた所だ。パリのルーブル博物館やロンドンのナショナルギャラリーのように有名なところではない。それで事実このような美術館があることも知らなかったし、ただオランダのチューリップ投機に関する絵をネット上で探していたら偶然に目に入ることになった。ところが実際にサイトに入ったところ、しばらく出てくることができなかった。ウェブサイトがすっきりしていて便利に構築されており、所蔵品の検索が容易で高画質イメージを鑑賞でき、英語の説明もよくできていて、興味深いオンラインテーマ展もあったからだ。おかげで美術館ウェブサイトをしばらく見て回って、以前は知らなかったオランダ美術の多くを新たに知るようになった。それ以前まではオランダ美術に大きな関心がなかった。

(中央SUNDAY第360号)



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