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年老いたと評価されていたヨーロッパが強力なリーダーシップをもとに眠りから覚め始めている。フランスではニコラ・サルコジ大統領が昨年5月に当選にした後、強力な改革路線を歩み始めた。ドイツでは‘鉄の女’アンゲラ・メルケルがドイツの病を治そうと動き始めている。両首脳の改革政策は李明博(イ・ミョンバク)政府にとっても良い教科書だ。ヨーロッパ大陸を率いる両国首脳の素顔を探る。
◇読書=思想の左右にかかわらず良い人であれば起用するという人事スタイルと同じように、本も思想に関係なく読んでいる。まず国際通貨基金(IMF)総裁のシェル・カムドシュが2004年に政府に提言した『カムドシュ報告書』は、経済相時代から枕代わりにするほど愛読したという。後日、単行本としても出版された。「フランス経済成長の障害物」と題したこの報告書は、週35時間勤労制の撤廃や雇用市場の柔軟化などを要求している。
サルコジが大統領候補だった時代から主張していた「もっと働いてもっと稼ごう」という改革政策の骨組みは、まさにここから出てきたといえる。サルコジは彼の右派的な思想とは相反する主張をすることもある。年初の演説で「ヒューマニズムがある国際化」や「資本主義の道徳」のような発言がそれだ。このような左派的な思想はエドガー・モラン著『文明の政治(日本語題)』からヒントを得た。モランはフランスを代表する左派社会学者。サルコジは1月の国政演説で「フランス国民は国内総生産(GDP)の規模に比べて幸せではない」と主張し、モランの著書を引用した。
◇健康・趣味=大統領当選の翌日からハーフパンツスタイルで人前に現れたことからも分かるようにジョギングを好む。ヘッドセットを耳に当て、ハーフパンツにナイキの運動靴という姿で走る大統領を国民はしばしばテレビで目にする。フランソワ・ミッテラン元大統領など前任者には見られなかった姿なので‘好ましくない’と非難を浴びたりもした。
携帯電話の文字メッセージも好んで使用し、たびたび話題になっている。約束時間に先に到着して時間が余ったり、車で移動する途中に頻繁に送るという。元トップモデルのカーラ・ブルーニ夫人と結婚するまではブルーニがその対象だった。
スポーツも好きだ。特にラグビーやサッカーの熱烈ファンだという。内務相時代にはラグビー国家代表チームの練習場を訪ねて激励するかと思えば、ラグビー代表チームの監督を務めていたベルナール・ラポルト氏を体育相に任命したりもした。最近は忙しい日程もかかわらず、パリに拠点を置くプロサッカーチーム、パリサンジェルマンの試合を観戦するため競技場に足を運んだ。
◇好きな食べ物=甘いものが大好きなことで有名だ。サルコジを1年間にわたり観察しながら『夜明け、夕方または夜(日本語題)』という本を書いた劇作家のヤスミナ・レザさんは「サルコジに初めて会った日、チョコレートと干したスモモ、果物ゼリーなどを休む暇もなく食べ続ける姿を見て驚いた」と回想した。酒とたばこを嗜まないので甘いものをおやつにする習慣ができたという。シャンゼリゼの高級カフェやフーケへ行くこともある。
◇ファッション=濃い色に薄いストライプが入ったスーツを好んで着用する。シャツは水色や白の縞模様を好み、ネクタイは濃紺を好む。このスタイルがほぼ公式スタイルのようだ。ジャケットとパンツはともにタイトなイタリアンスタイルが多い。時計はロレックスのクラシックなオイスターモデルを身につけている。このためサルコジ大統領の風刺画にはよく大きなロレックスが登場する。身長が高いブルーニと結婚した後、厚底の靴を履く姿も目につく。
一方、休暇や非公式的日程のときはカジュアルファッションを好み、いつもジーンズに動きやすそうなシャツやジャケットというスタイルで登場する。色の濃いサングラスもサルコジ大統領のトレードマークだ。ヨーロッパの金持ちがドイツやイタリアの自動車に乗るのとは違い、サルコジ大統領が個人で所有しているのはルノーの「ベルサティス」。フランス製品を愛用している。
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