金与正朝鮮労働党副部長。[写真 聯合ニュース]
北朝鮮の労働新聞によると、金副部長はこの日の談話で、最近の韓米日の北大西洋条約機構(NATO)外相会議の共同声明をめぐり、「われわれの『非核化』は実現不可能な妄想にすぎない。さまざまなベールをかぶせてすでに死文と化した『非核化』概念を復活させてみようと試みること自体もわれわれの憲法放棄、体制放棄を強要する最も敵対的な行為}と主張した。
続けて「米・日・韓にとって直面した安全保障上の憂慮を解消する唯一の解決法は、われわれの現在の地位を揺さぶろうとする一方的な現状変更企図を徹底的に諦め、正面衝突を避ける方法を探し出すのに没頭することだけである」と付け加えた。
韓米日外相は3日のNATO外相会議を契機に「国連安保理決議に基づく北朝鮮の完全な非核化に対する確固とした意志」を強調する共同声明を発表したが、金副部長は約1週間過ぎて反論する談話を出した。8日に韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)大統領代行とトランプ大統領の初の電話会談が行われた直後に北朝鮮のハイレベルのメッセージが出てきた点も偶然だ。
金副部長の談話は内容面では2月18日の北朝鮮外務省報道官談話と大きな枠組みで違いはなかった。外務省報道官は第2次トランプ政権の非核化原則に対する立場を初めて明らかにしながら「非核化は米国の近視眼的な目標であり、実践的でも概念的にも一層不可能で非現実的な古くて荒唐無稽な計画」と指摘した。
ただ今回は金副部長が直接乗り出して北朝鮮が設定した朝米対話の前提条件に、より重量感を増そうとする意図というのが専門家らの見方だ。トランプ大統領は第2次政権発足直後から金正恩委員長に数回言及しながら「良い関係」と言及したが、米政権レベルで非核化の原則には大きな変化がない。これに対し北朝鮮は対話再開の敷居が以前より高くなったことを持続的に強調しているということだ。
慶南(キョンナム)大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「金副部長が登場したということは金委員長レベルでトランプ大統領との対話戦略または交渉方向に対する判断が下されたという意味かもしれない」と指摘した。
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