金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長
朝鮮中央通信は29日、金委員長が核物質生産基地と核兵器研究所を訪問して「(核)物理力の幾何級数的な増加」に言及したと報じた。メディアは金委員長が訪問した日時や場所は明らかにしなかった。
金委員長はこの席で「国家の主権と利益、発展権を担保できる核の盾の絶え間ない強化は必須不可欠だ」とし「核対応態勢を限界が分からないほど進化させることは、われわれが堅持しなければならない確固たる政治軍事的立場」と強調した。
これに先立ち金委員長は昨年9月にも平壌(ピョンヤン)に近い降仙(カンソン)核団地と推定される高濃縮ウラン(HEU)製造施設を公開したが、今回の施設は床や天井の壁材が当時とは違い、別の濃縮施設である可能性が高いというのが専門家の分析だ。
特にウラン濃縮施設は熱感知などが難しく、隠蔽が容易なので米国が神経をとがらせている施設に挙げられる。金委員長の今回の活動を巡り、対米用という解釈が出ている理由だ。ただし、金委員長はこの日も米国首脳に対する直接的な非難は避けて対話の余地を残した。
梨花(イファ)女子大学北朝鮮学科の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は「核施設の視察によって核放棄に対する意思がないことを明確にしながらも、米国を狙った挑発は自制する計算された動きがこのような苦慮を表わしている」と話した。
28日(現地時間)、北朝鮮の報道時点とほぼ同じ時刻、ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のブライアン・ヒューズ報道官は中央日報に対して「トランプ大統領は初任期と同様、北朝鮮の完全な非核化を追求する」と明らかにした。これはトランプ1期目の時、金委員長が直接「完全な非核化」を約束した点を思い出させ、約束履行を圧迫したものだと解釈する余地もある。
一方、米国の北朝鮮専門メディア「NKニュース」は29日、ウクライナ特殊作戦軍(SFO)がロシア・クルスクの戦闘で北朝鮮兵士2人を射殺したとし、戦死者が所持していた光学照準器などが装着されたAK-12突撃小銃などの装備とその他遺留品の写真を公開した。北朝鮮軍の遺留品からは身分証やサムスンのロゴがついた2G携帯電話、「手をあげろ」などのウクライナ語の表現がハングルで書かれたメモ、金委員長の激励の手紙が含まれたとメディアは伝えた。
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