韓中の修交から今年で３０年を迎えた。両国関係が１９９２年８月２４日を基点に「世界外交の奇跡」と呼ばれるほど発展したのは事実だ。経済交流も１世代前には想像もできなかったレベルに拡大した。しかし修交当時の目標を反すうしてみると、現在の両国関係は必ずしも前向きに眺めることはできない。韓半島（朝鮮半島）の平和と安定の維持、韓半島の非核化は実質的な核保有国・北朝鮮の登場でむしろ後退し、中国は韓国に対する軍事・外交圧力を続けている。当初の目標を大きく下回る成績表だ。

現代史を振り返ってみよう。中国は１９７１年に中華民国を代替して安全保障理事会常任理事国として国連に復帰し、１９７８年末の改革・開放政策推進と１９７９年の米国との修交を通じて外交的孤立を打開すると同時に、経済的には国際分業に参加した。このように国際情勢が理念よりも実利優先で展開すると、韓国政府も北朝鮮を正常な国家として牽引するという北方政策を推進した。北朝鮮の最大後見国の中国との修交は、北朝鮮の武力脅威と挑発を抑止して韓半島の平和と安定の維持および平和的統一基盤の確保レベルで非常に重要だった。両国は韓半島の平和と安定、共同の経済繁栄、韓半島の平和統一環境形成を目標に修交交渉を進めた。中国は韓国戦争（朝鮮戦争）介入に対する遺憾表明には同意しなかったが、韓半島の平和的統一と非核化支持の立場を表明した。韓国は台湾との断交要求を受け入れて中国を唯一の合法政府と承認することで、４０年間にわたる反目を踏んで修交を断行した。

ところが２０１０年の韓国哨戒艦「天安」事件と延坪島（ヨンピョンド）砲撃事件当時、中国の北朝鮮擁護、北核問題に対する中国の微温的な態度を見ながら、我々は中朝の「特殊関係」を実感するしかなかった。中国は北核解決案として双中断と双軌並行を主張する。北朝鮮の核ミサイル実験と韓米連合軍事訓練が同時に中断（双中断）され、韓半島非核化議論と韓半島平和体制構築（米朝平和協定締結）議論が同時に進行（双軌並行）されるべきということだ。この２つの主張は、全般的に友好的に見える韓中関係が領域別には非友好的または不均衡的関係であることを端的に表す。そしてこの葛藤は結局、２０１６年の韓国のＴＨＡＡＤ（高高度ミサイル防衛システム）配備とそれによる中国の報復につながり、後遺症は相変わらずだ。


過去３０年間の韓中関係で、我々は従来の構造的な壁、すなわち韓米同盟と韓中協力関係の差異、そして中国と北朝鮮の特殊関係という先天的な壁を確認した。最近はキムチ・韓服元祖論争、そして韓国戦争を抗米援朝（米国に対抗して北朝鮮を支援）の枠組みで見る認識のため、中国に対する感情が悪化した。このため３０年の協力が大きな危機を迎えた。

外交は相手がある両者関係であり、自国の利益の最大化という大原則がある。いくら自国の利益が優先であっても世界的な強国になった中国が過度に自己中心的な「核心利益」ばかりを強調していることは否めない。中国はＴＨＡＡＤ（高行動防衛ミサイル）配備と関連した安全利益、ＩＰＥＦ（インド太平洋経済枠組み）とＣＨＩＰ４（半導体協議体）を自国の経済安全保障問題に限定して認識する発展利益、そして台湾や人権問題に関連した主権利益を強調する。

特に中国は南北に対する二重的影響力を維持しようとする。「韓半島の安定と平和が中国の国家利益に合う」と公言しながらも、現実的には自国に有利な国際的環境形成のために韓半島の不安を活用する。韓半島が適当な緊張状態を維持すれば対外戦略の側面で中国に有利であるため、我々の希望とは違い北朝鮮を抑止する対北朝鮮影響力発揮に消極的だ。

中国は国連安保理常任理事国として核拡散防止に国際的な責任がある。ところが北朝鮮の核には過度に慣用的な態度を見せる。これは韓国が直面する安保の脅威を徹底的に無視する態度だ。韓米同盟の強化は対北朝鮮抑止力を確保するためのものだが、中国はこれを中国牽制用の韓日米三角軍事同盟体制の構築とみる。また韓国の防御用武器ＴＨＡＡＤを米国の中国牽制戦略と認識する。こうした自国利益守護に対する強迫観念は国際社会に「巨大な赤子」（Ｓｕｐｅｒ　Ｂａｂｙ）のイメージを固着させるだけだ。

この過程で中国の敗着の一つは実質的な核保有国になった「国際平和破壊者」北朝鮮を加害者でなく被害者に変身させたという点だ。その結果として中国も「核保有国」北朝鮮と向き合うことになった。中国が絶えず「適切な処理」を主張するＴＨＡＡＤ問題も同じだ。ＴＨＡＡＤ配備の根本的な理由が北朝鮮の核、ミサイル保有・開発にあるという本質的な問題は排除したまま「韓国が三不（米国のミサイル防衛システム、ＴＨＡＡＤ追加配備、韓日米軍事同盟をしない）を約束した、しなかった」を問題にする。


【私は告発する】「修交３０年」中国の２つの姿…軽空母など軍事力拡充が韓国の生きる道（２）