「清零（ゼロコロナ）」を守る中国が上海・北京などの大都市とは違い地方の中小都市では「強行一辺倒の源泉封鎖」を適用していて被害が拡大している。感染率が高いオミクロン株が拡散し、これら約２０の地方都市３０００万人余りは緩和の兆しもない中でひたすら隔離を強いられている。中国当局は経済麻ひや民生破綻などの非難世論に対して「封鎖」という用語を避けながら厳格な封鎖を続けている。

ミャンマーと国境を接した雲南省瑞麗市は新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）が始まってから今まで９回、計１６０日間の封鎖を強いられた。最初の封鎖は２０２０年１月２６日に始まった。３５日間続いた。昨年３月３１日から５月６日まで続いた３７日の封鎖が最も長かった。最近の封鎖は今年３月２日から２３日まで２１日間続いた。瑞麗市の李尚さん（仮名）は９回の封鎖の中で少なくとも１３０回の核酸検査を受けたと微信（ＷｅＣｈａｔ）のニュースアカウント「一條」に吐露した。

封鎖によってお金を稼ぐことが難しくなると、異郷人は離れて人口も急減した。瑞麗政府は今月１８日、１９万人が核酸全数検査に参加したと発表した。２０２１年４月１３日に発表した数字は３８万人だった。１年間で２０万人余りが減った。登校授業もなくなった。オンラインで行われる授業の教師と学生比率は１：８００に達する。


ベトナムと境界を接している広西省東興市は今月２４日、６０日間続いた封鎖が解除された。コロナ２年を体験し、観光やベトナム貿易に従事していた常住人口２０万人は最近７万人に減った。３分の２がいなくなった。

黒竜江のロシア国境隣接都市の綏芬河は今年１月２５日から現在まで３カ月間封鎖状態だ。市内の宅配・薬局・病院はすべてストップした。２０２１年ロシアから感染者が流入した後、ロシア商店街はすべて閉鎖された。現在高校３年生の林林さん（仮名）は高校１年生の最初の学期だけ通学し、その後は今まで家でオンライン授業だけを受けている。林林さんは「ただここを離れたい」と吐露したと「一條」が報じた。

中国全域に蔓延した封鎖に対して、在米時事評論家の唐靖遠氏は「中国で封鎖と半封鎖、ハード（硬）封鎖とソフト（軟）封鎖の間の警戒がますます曖昧になっている」と指摘した。ラジオ・フリー・アジア（ＲＦＡ）は２５日、中国内２２都市約３０００万人が封鎖で苦痛を受けていると集計した。唐靖遠氏は「習近平主席の政治的権威と再任の有無が最近の社会状況と緊密に結びついている」とし「中小都市の場合、経済規模が小さく人口が少ないため、封鎖がこれら地域の経済と民生に及ぼす被害規模を把握さえ難しくしている」と述べた。

◆非難世論に「静態」「社会的」「動態」封鎖修飾語を管理

封鎖を非難する世論に、中国当局は用語に手を入れる形で対応に出た。一種の名称粉飾を施している。上海封鎖過程で目立った。上海は先月２８日、感染者が急増すると市を横切る黄浦川を境界に「段階別防控」を宣言した。

核酸検査を除くすべての外出を禁止し、公共交通の中断、登校中止、商業施設の運営中断を行う事実上の封鎖だが「段階別防疫」という別の表現を使った。３１日、全面封鎖に格上げしながらも「全地域静態管理」とした。今月１８日には「社会面清零」を新たな目標に掲げた。封鎖地域外で新規感染者が発生しない状態をいう。統制地域内の感染者は容認するという意味だ。都市を封鎖・統制・観察地域に区分したが、本質的には大きな違いはない。

中央政府は「ゼロコロナ」に「ダイナミック（動態）」という修飾語を付ける。感染者が発生すれば政府各部門がいちはやく行動するという意味だ。「ウィズコロナ」に進む過渡期ではないと強調する。「段階別防疫」「静態管理」「社会面清零」「動態清零」…すべて用語と程度が違うだけで「ゼロコロナ」という本質は同じだ。

封鎖一辺倒の防疫によって国家的費用は急増している。米国ブルッキングス研究所シニアフェローの李成氏は「新型コロナ防疫のためのドラコニアン（Ｄｒａｃｏｎｉａｎ・無慈悲）な手段による莫大な費用で、２０２０年小商工人４５０万が廃業した」とし「これは２０１８年の１０倍、２０１９年の２倍に達する莫大な費用」と指摘した。