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【コラム】最悪の韓日関係を解決すべき韓国新政権(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◆土着倭寇論など派生的怒りは役立たない

過去のある時点で「加害当事者」の不正義な行為による「被害当事者」の怒りが発生した。この問題を解決するため「加害者側」が謝罪と補償をして「被害当事者」が許すことで、怒りを消滅させて正義を回復する。その後「被害者側」と「加害者側」は共に過去を記憶して追悼し、未来に向けた教育にまい進する。

90年代以降に進行された和解の過程で、加害者側の努力を通して「被害当事者の怒り」(本源的怒り)は解消される機会があったし、解消された部分もある。しかし被害当事者に対する和解の過程が進行しながら、むしろ「被害者側の怒り」(派生的怒り)が大きくなる逆説的な現象が発生した。加害者側の努力が十分でないという考えと、その努力の誠意に対する不信が加害者側の責任をより一層追及することになり(反日)、こうした被害者側の動向が加害者側の反発を招き(嫌韓)、これはまた被害者側の怒りを増幅させるという現象を生むことになった。このように怒りを増幅させる反日と嫌韓の悪循環が繰り返される過程で、派生的怒りが本源的怒りを圧倒する状況になった。


派生的怒りを増幅させるのに民族主義、国民感情、親日派追求(土着倭寇論)などさまざまな要因が作用した。派生的怒りを政治的動員の手段として活用する低級な政治、責任追及を通して私的な利益を追求する教祖的集団、派生的怒りを助長する無責任なメディア、親日派追求に巻き込まれるのを避ける傍観的知識人がもたらす誤解と偏見、無知と意地、卑怯と沈黙を滋養分にして派生的怒りは雪だるま式に膨らんだ。

私は現時点の歴史問題は本源の問題でなく派生の問題とみる。本源の問題については韓日間ですでに多くの部分を解決し、今後は残りの問題を解決すべきだということに異見はない。むしろ派生の問題が本源の問題の解決を阻害していて、それによる損失は非常に大きくて痛い。

◆一方的な責任追及から抜け出すべき

派生的問題の責任を加害者側だけに転嫁することができるだろうか。被害当事者に対する謝罪と補償で被害者側の派生的怒りを解消できるだろうか。私は派生的怒りは責任論的和解では解消できないとみる。これが明白であるのなら、歴史和解の哲学的な土台を包容論的和解に転換しよう。そして一方的な責任追及から抜け出し、高まった国格にふさわしく相手を包容する主体として自己アイデンティティを確立しよう。包容論的和解という新しい哲学で武装し、派生的怒りを一時的に保留しよう。そして韓国が解決法を提示すべきという日本の立場を理解し、彼らの要請を受け入れて、徴用者問題に対する先制的解決法を提示しよう。2019年12月に文喜相(ムン・ヒサン)国会議長を代表とする14人の与野党議員が共同発議し、会期終了で廃案となった「文喜相法案」を再び進めるのが良い案になるはずだ。

5月10日に誕生する尹錫悦政府の前には国内外の難題が山積している。険しい道を切り開いて未来に前進するためにすべての人が要求しているのが統合と協治だ。しかし真っ二つに分裂した国民の心と少数与党の状況で統合と協治が実現するのか、多くの国民が不安と疑いを抱いて見守っている。

現役国会議員154人が所属する韓日議員連盟は超党派的協議体であるだけに、陣営論理と政党の利害関係を離れて、国益のための判断と行動ができる。多数の与野党議員が同意して文喜相法案を修正して通過させることを期待する。尹錫悦政府の統合と協治の試金石になるはずだ。

朴鴻圭(パク・ホンギュ)/高麗大政治外交学科教授


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