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通話中に「いま録音してるのか?」…「監視共和国」不信感広がる=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
#1.「ニュースを見るとお前も信じられない。この通話もひょっとして録音しているのか」。友人と電話で世間話をしていた30代の会社員チェさんが18日に聞いた言葉だ。友人がいきなり言った冗談のような言葉にチェさんは「違う」と答えながらも冷や汗が出たという。自分のスマートフォンの自動録音機能が設定されているのではないかと一瞬思ったからだ。この日、政界では与党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補の通話録音ファイルが公開され、2日前には国民の力の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補の夫人・金建希(キム・ゴンヒ)氏の通話録音がテレビで報道された。

#2.会社員パクさん(31)は最近、自分の携帯電話の通信会社に対し、通信資料を提供したかどうかの確認を求めた。検察、警察、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の通信照会に関するニュースに接した後だった。「自分の情報も見られているのではないか」という疑いは現実として表れた。検察に加入者名と生年月日などの資料を提供したという確認書を通信会社から受けた。理由は分からなかった。パクさんは「捜査機関は望めばいつでも自分に関する情報を容易に入手できるということであり、深刻性を感じた」と話した。

◆「監視共和国」に変わる社会


先端情報技術(IT)時代の避けられない現実なのか。国家機関または私人が個人の情報を無差別的に入手するという弊害があちこちで表れている。2022年の大韓民国は「監視共和国」といっても過言でないほどだ。スマートフォンは知人との通話をまるごと録音し、CCTVは個人の動きを撮り、興信所やストーカーがSNSで個人情報を調べ、公捜処などの捜査機関は通信資料を眺める。大統領候補とその家族も監視から自由でないというのが現実に表れている。

過去2年間続いた新型コロナ事態は飲食店などを訪問した履歴まで一つ一つ記録している。安全のための「防疫パス」や「安心コール出入管理」などがいつ「ビッグブラザー」に悪用されるか分からないという不安が強まるしかない状況だ。疾病管理庁によると、昨年6月1日から今年1月16日まで約7カ月間に収集されたQRコードは累計36億3994万件を超えた。成均館大のク・ジョンウ社会学科教授は「先進国は個人情報収集要件が厳格で国民的な認識も高い方だが、韓国社会は大きな抵抗なく情報提供に同意してきた傾向がある」と述べた。

◆不安な市民の選択…サイバー移民、SNS脱出

監視に対する不安が強まり、個人の防衛機制も作動している。SNSやブログなどのオンラインでは通信会社の通信資料提供事実を申請・閲覧する方法が共有されている。

カカオトークなどすでに使用していたメッセンジャーから、サーバーが海外にありセキュリティー性が高いというSNSに移動する「サイバー移民」も続出している。

「SNSエクソダス(大量脱出)」現象も表れている。大学院生のチョさん(26)は「公務員が興信所に個人情報を渡したという記事を見た。先日、フェイスブックを脱退した」と話した。チョさんは「周囲には『怖い』と言ってSNSを非公開にしたりやめたりする友人が多い」と伝えた。

録音機能がないスマートフォンを使用する人は相対的に不安感がさらに高まったという。10年以上もiPhoneだけを使用してきたという会社員のキムさん(33)は「録音ができないiPhoneを使えば何となく不利だという気がした。相手は通話を録音しているのに自分は無防備だと思うとぞっとする」と語った。

◆「個人情報に対する警戒心を強めるべき」

専門家は監視の可能性に対する「警戒心」を強調した。高麗大のキム・スンジュ情報保護大学院教授は「自分の通話はいつでも録音される可能性があるという考えを各自が持つべき」とし「技術の発達でスマートフォンに各種機能があるが、法で規制しても個人情報の露出などは防げない。個人が注意しなければいけない」と助言した。

ソウル女子大のキム・ミョンジュ情報保護学科教授は「国民の立場では、個人情報を扱う機関が情報を保護していると漠然と考えるしかない」とし「公共機関や企業など情報を扱う主体が積極的に情報利用事実を事前に知らせ、国民の不安感を減らす必要がある」と指摘した。



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