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【コラム】政派的な裁判所・検察人事で危機を迎えた「大韓民国共和国」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は機会があるたびに統合と共存を話した。分裂と葛藤の政治を変えると言った。「私を支持しなかった国民一人一人も私たちの国民として仕える」「野党は国政運営のパートナーだ。対話を定例化して常に会う」(2017年5月10日の就任演説)、「自らを保守と考えようと進歩と考えようと極端に偏らず、常識のラインで愛国を考えれば、我々は統合された社会に発展していくことができる」(2019年6月6日の顕忠日演説)、「お互いに対する理解、違いに対する寛容、多様さの中の協力がいつよりも切実に求められる時代になった」(2019年10月22日の国会施政演説)などの言葉は大きな期待と歓迎を受けた。こうした発言に一貫している哲学は統合と均衡、寛容の共和主義精神だ。

しかし政府の実際の政策は反対に進むケースが多かった。「選択的人事」はその一つだ。昨年の秋美愛(チュ・ミエ)前法務長官と尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長の「秋・尹」葛藤は結局、検事を列に並ばせるものだった。政府の政策に反旗を翻した検事は左遷させ、その空席を近い検事で埋めた。シン・ヒョンス民情首席秘書官の辞任は青瓦台の反共和的人事方針に対する抵抗だ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で文大統領と息を合わせた民情首席秘書官が辞意を表明して対抗するのは、政府の人事原則がかなり逸脱していたことを見せる証拠だ。

◆原則に背いた憲法機関の人事


金命洙(キム・ミョンス)大法院(最高裁)長の嘘は裁判所の人事も「選択的」であることを表している。大法院長が人事決定を先送りしながら与党を様子をうかがうのは三権分立、共和主義に背く。金恩京(キム・ウンギョン)元環境部長官の拘束は行政府でも選択的人事が公に行われていることを示唆する事件だ。大統領が提示した統合と共存が虚しい言葉になってはいけない。

選択的人事は政権の利益に奉仕する。先月、ソウル中央地裁の人事でチョ・グク元法務部長官と崔康旭(チェ・カンウク)開かれた民主党議員事件を担当した裁判長が人事慣行を破って留任した。金慶洙(キム・ギョンス)慶尚南道 知事に対する書き込み操作事件に有罪を宣告した裁判長は早期交代させられた。情景芯(チョン・ギョンシム)東洋大教授入試不正と柳在洙(ユ・ジェス)元釜山市経済副市長担当の裁判部を経歴が似た3人の部長判事で構成された裁判部に変え、現政権で法院行政処基調室長を務めた判事を含めたのは破格だ。それでも理解、納得できる根拠は提示されなかった。政治的な考慮が作動するとみるのが合理的な推論だ。政府の選択的な人事は裁判所と検察、環境部だけではない。そうでなくとも文政権の人事の特徴は「文在寅キャンプ・コード・共に民主党」人事だと噂になっている。

憲法機関の人事では独立・均衡・公正の人事原則を守らなければならない。原則に背けばその波紋は深刻だ。裁判所の判決と検察の捜査、行政行為は信頼を失う。司法府は信頼が生命だ。判事・検事の性向に基づき裁判の結果が「手のひらを覆すように」変われば、人々は承服しない。違う道を考える。それは腐敗につながる。今の選択的人事はサッカーの試合で審判を好き勝手に変えるのと同じだ。前政権ではこういうことがなかった。保守政権でも人事権による分裂があった。ろうそくデモで誕生した文政権は違うと考えた。


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