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台湾は米軍烏山基地から2時間の距離…中国が侵攻なら韓国次期政権に「荒波」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

2013年4月26日、浦項(ポハン)で連合上陸訓練をする韓米の海兵隊。当時、沖縄の米海兵第3師団など韓米の海兵隊約3000人が参加して1カ月間の訓練を実施した。 中央フォト

東アジアに今世紀最大の危機が訪れた。「トゥキディデスの罠」という概念で米中の新冷戦を予想した国際政治学者グレアム・アリソン氏は早くから台湾を一触即発の火薬庫と見ていた。1995年に台湾海峡であった中国のミサイル示威のような状況が米中の衝突に発展する可能性があると指摘しながらだ。専門家らは「台湾危機は朝鮮半島危機」と警告する。力の均衡が崩れる瞬間を誤って判断した北朝鮮が武力挑発する可能性があるということだ。

こうした懸念は在韓米軍の役割の変化と関係が深い。米軍の作戦計画上、台湾有事なら最も近くに配備された在日米軍とグアム駐留米軍が状況制圧をすることになっているが、今では在韓米軍も当然視される雰囲気だ。この数年間、中国の軍事力が急激に強まり、米国の戦略修正が避けられなくなったからだ。昨年7月に当時のハイテン米統合参謀本部副議長が「台湾海峡を舞台にした仮想の戦争(war game)で米国が中国に敗れた」という衝撃的な結果を明らかにしたのも、こうした実情と無関係でない。

◆烏山基地から2時間の距離


台湾有事については▼中国の台湾本土侵攻▼金門島・東沙諸島などに対する局地戦--という大きく2つのシナリオが主に言及される。金門島は中国本土からわずか4キロの距離にある台湾の最前方の島で、台湾よりも香港から近い東沙諸島は南シナ海の戦略的要衝地だ。

専門家らは中国が台湾本島に上陸して全面戦争をする可能性は極めて低いとみている。半面、米議会などは中国が台湾本島から遠く離れた島嶼地域に対する上陸能力はすでに備えたと評価している。

こうした状況に備えて訓練を最も多くしている戦力は在日米軍だ。沖縄の米海兵隊(第3海兵遠征軍、約1万7000人)は2018年に創設された「日本版海兵隊」陸上自衛隊水陸機動団と共に島嶼奪還を想定した連合訓練を繰り返している。

台湾で状況が発生すれば、在韓米軍はこうした即応戦力の在日米軍を支援する可能性がある。烏山空軍基地から台湾までの距離は約1600キロで、航空機で2時間で到着する。こうした地理的利点は米軍の戦略的柔軟性を高めることができる要素だ。すでに在韓米空軍のU-2S高高度偵察機は随時、台湾海峡と南シナ海を飛行し、監視・偵察活動をしている。

◆インド太平洋最強地上軍の米第2師団が関与の可能性

事態によっては空軍力の支援にとどまらない可能性がある。亜洲大のキム・フンギュ米中政策研究所長は「最悪の場合、インド太平洋地域で最もよく訓練された師団級兵力の駐韓米陸軍(第2師団)がやむを得ず関与するかもしれない」と指摘した。

超大型輸送機C-17グローブマスターIIIは兵力(最大134人)だけでなく、在韓米軍のM1エイブラムス戦車、アパッチ攻撃ヘリコプターなど大型装備を輸送できる。韓米空軍は昨年5月、沖縄で貨物を積んだC-17を大邱(テグ)基地まで移動させる有事の支援作戦訓練を実施した。毎年似た訓練をするが、C-17が投入されるのは初めてだった。米空軍は全世界で約220機のC-17を運用中だ。

韓米連合作戦に詳しい軍消息筋は「かつて大規模な韓米連合訓練は米本土などの増援戦力の投入をする内容だっただけに、米軍は空輸能力に自信を持っている」とし「台湾事態が本格化すれば、いつでも地上軍を投入する準備ができているということ」と説明した。

◆在韓米軍投入なら朝鮮半島の戦力は減少

過去の先例も注目される。一部では、在韓米軍の台湾投入に関連し、2004年のイラク戦争当時に在韓米第2師団歩兵旅団が中東に派兵された事例が挙げられる。当時の兵力が復帰せず、在韓米軍は現水準の2万8500人に減少した。ただ、台湾有事の際、在韓米軍の縮小にはつながらないという見方がある。

梨花女子大の朴元坤(パク・ウォンゴン)北朝鮮学科教授は「中国では北京までわずか1000キロほどの距離のキャンプ・ハンフリーズ(京畿道平沢)を『中国の心臓を狙う匕首』として恐れる」とし「その在韓米軍をあえて韓半島(朝鮮半島)から抜くよりも役割を拡大するのが戦略的に重要だ」と述べた。続いて「米国が世界規模のGPR(米軍態勢の見直し)細部計画と連係して韓米連合作戦計画を見直すのも中国対応のための布石」と説明した。

実際、エイブラムス前在韓米軍司令官は昨年末、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)放送に「韓米は新しい作戦計画に中国対応策を含めるべき」と話した。こうした発言にはワシントンと米軍首脳部の視点が反映されたという解釈が出ている理由だ。


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