中国人民解放軍空軍H-6戦略爆撃機。核武装が可能だ。[写真 台湾国防部]
米国務省はプライス報道官の声明で「米国は中国が台湾近隣で続けている挑発的な軍事行動を深く憂慮する」とし「これは誤った判断を招く危険があり、地域内の平和と安定を阻害する」と述べた。続いて「北京が台湾に対する軍事的、外交的、経済的圧力を中断することを求める」とした。
米国務省が「誤った判断を招く危険がある」と警告したのは、両岸間の軍事的緊張が一触即発の危機に向かう状況を想定したものとみられる。中国が挑発を強行し、台湾が緊急対応出撃をして緊張が高まる過程で、どちらか一方が誤認すれば軍事的衝突につながることもあるという憂慮だ。
米軍首脳部は最近、議会公聴会の証言などで、中国が台湾を侵略する可能性もあるという懸念を公開的に表した。その時点と性格については意見が分かれるが、中国が挑発を敢行することもあるという点には共感がある。
中国は1日、国慶節(1949年10月1日の中華人民共和国建国日)を迎えて、一日で最多となる38機の軍用機で台湾ADIZを侵犯し、武力示威をした。核兵器搭載が可能なH-6爆撃機も含まれたと、ロイター通信は伝えた。これまでは6月15日に計28機の中国軍軍用機が台湾ADIZに進入したのが最大規模だった。
翌日の2日は軍用機39機が台湾ADIZに入って前日の記録を更新し、日曜日の3日は少なくとも16機が出撃したと、英ガーディアンは伝えた。3日間で計93機の中国軍軍用機が台湾ADIZを侵犯したのだ。過去2年間に中国は軍用機の台湾ADIZ無断進入回数を増やし、最近はほぼ毎日、大規模な出撃をしている。
今回は米国・英国・オーストラリアが中国を狙った新たな軍事同盟AUKUS(オーカス)を創設し、原子力潜水艦技術をオーストラリアに伝授することに抗議する意味も込められたという分析がある。ADIZは領空でないが、外国の軍用機が事前通報なく進入する場合は軍事挑発と見なすことができる区域。
プライス報道官は「我々は台湾海峡の平和と安定に持続的な関心を持っている」とし「台湾が十分な自衛能力を維持できるよう支援する」と台湾に対する支持を約束した。続いて「台湾に対する米国の約束は確固としていて、台湾海峡と域内での平和と安定を維持するのに寄与している」と強調し「我々は共同の繁栄、安全保障と価値を増進し、民主的な台湾と関係を深めるために友邦および同盟と共にする」と述べた。
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