天安艦襲撃1周忌(2011年3月26日)を迎えて海軍が公開した天安艦の切断された姿。北朝鮮が発射した魚雷爆発によって発生したバブルジェットで天安艦が2つに割れ、骨組が上に折れたまま曲がっている。[中央フォト]
「天安艦襲撃」は2010年3月26日夜、ペンニョン島付近の海域に浸透した北朝鮮潜水艇が発射した魚雷で天安艦が沈没した北朝鮮による挑発事件だ。天安艦は北朝鮮魚雷が水の中で爆発して発生した「バブルジェット」現象によって2つに割れた。艦艇に乗っていた将兵の中で46人が戦死した。その時、被害にあった天安艦は平沢(ピョンテク)第2艦隊司令部に展示されている。天安艦の破壊断面をみると、海の下から発生した強力な爆発力で艦艇の骨組が空に向かって垂直に折れている。
シン氏の主張のように、天安艦が暗礁に座礁したり、米軍潜水艦と衝突したりしたといういかなる証拠も見出せない。暗礁にぶつかって艦艇の下が深く掘られた跡はない。また、7000~8000トンにもなる米海軍潜水艦は天安艦襲撃事件が発生した浅い海にいくこともできない。天安艦(1220トン)には潜水艦にあたってペコンと入った部分もない。天安艦座礁説を主張して起訴されたシン氏に対する1・2審裁判所も「座礁説は根拠がない」とすでに結論を下した。
シン氏の座礁説主張は天安艦が北朝鮮の魚雷に攻撃されなかったというのが核心だ。北朝鮮の挑発に免罪符を与えることに他ならない。天安艦が北朝鮮の魚雷によって攻撃されたという軍の発表が全部偽りだと否認していることだ。それでも糾明委がシン氏の真相調査の要求を最初から棄却せず受け入れた背景を理解することはできない。糾明委がこれを数カ月間も隠して密かに調査しようとしたが、マスコミの報道で世論が悪くなると再び棄却したことにしか見えない。シン氏の陳情事件の報告を受けなかったという国防部の態度は素直でない。
シン氏のとんでもない主張を時流により受け入れ、または否定する青瓦台(チョンワデ、大統領府)と国防部を国民が信じることができるだろうか。天安艦襲撃のような北朝鮮の挑発を厳重に問い詰める能力もない政府に正常な南北関係の改善はできるだろうか。青瓦台と国防部は今回の陳情事件の処理過程を国民に一つひとつ公開して再びこのようなことが再発しないようにするべきだ。まだ精神的後遺症を病んでいる天安艦戦死者遺族と生存者に先に厳重に謝罪してほしい。
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