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【コラム】また遺族を苦しめた韓国政府の「天安」追悼式縮小

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「本当に…政治家の出席を認めないなんて初めて聞いた。行事をしないわけにはいかず、やむを得ずするというのが全部見える」。

23日夜、電話の向こう側から聞こえてくるイ・ソンウ「天安」遺族会長の声はため息ばかりだった。こみ上げてくる怒りを抑えながらも出てくる恨みそのものだった。

政府は26日の西海(ソヘ、黄海)守護の日行事と韓国哨戒艦「天安」爆沈11周忌追悼式への政治家の出席を認めないことにした。5党の代表と国会国防・政務委員長の7人だけを招請した。金太年(キム・テニョン)共に民主党代表職務代行、閔洪チョル(ミン・ホンチョル)国防委員長、尹官石(ユン・グァンソク)政務委員長がすべて民主党所属だ。崔康旭(チェ・カンウク)開かれた民主党代表、余永国(ヨ・ヨングク)正義党代表まで合わせれば与党側が5人となる。野党は金鍾仁(キム・ジョンイン)国民の力非常対策委員長と安哲秀(アン・チョルス)国民の党代表の2人にすぎない。


報勲処はこうした「縮小開催」方針を遺族に全く知らせていなかった。イ・ソンウ遺族会長さえも行事の3日前に筆者の電話を受け、状況を初めて把握した。ただ、国会では「政府が『天安』追悼行事を縮小しようとしている」という噂が10日ほど前から出ていた。このため国民の力国防委幹事の韓起鎬(ハン・ギホ)議員は黄基鉄(ファン・ギチョル)報勲処長に電話をかけ、「少なくとも国会の国防委員は出席できるようにしてほしい」と伝えた。黄処長は「分かった」と答えたという。ところが4日前に突然、局長級の実務者が韓議員に連絡してきた。「コロナの問題もあり、場所も狭く、出席することはできない」ということだった。国防委員の申源シク(シン・ウォンシク)国民の力議員は「黄処長は野党議員も出席させようとしたが、突然、上(青瓦台)がオーダー(不許可)を出したため、負担を感じて部下に通知させたようだ」と話した。

怒った国民の力の議員らが追及すると、軍は昨年12月に「4・7補欠選挙関連政治家部隊訪問指針」を出し、選挙期間の政治家の部隊訪問を禁止した結果だと釈明した。西海を守って散華した英霊を追悼することが選挙といったいどんな関係があるのか。昨年、軍部隊に該当する海軍第2艦隊司令部で開かれた「天安」追悼式は4・15総選挙を20日後に控えた3月26日に開かれた。しかし劉承ミン(ユ・スンミン)議員、兪義東(ユ・ウィドン)議員、安圭佰(アン・ギュベク)議員ら政治家はいかなる制限もなく出席した。また、それ以前にも選挙を目前にして「天安」追悼式が開かれたことが多かったが、政治家の出席が許可されないケースは一度もなかった。これまで追悼式が選挙に影響を及ぼしたという論議も全くない。

それだけではない。海軍は遺族を利用して嘘をついたという疑惑も招いている。「天安」など北朝鮮の挑発による犠牲者の追悼式に欠かさず出席してきた劉承ミン元議員の話だ。

「文大統領の執権序盤、第2延坪海戦追悼式(毎年6月29日)に出席する意向を海軍に伝えたが、『遺族が望んでいない』と通知してきたので追悼式に出席しなかった。その後、遺族が開いたバザーに行ったところ、故ハン・サング中佐夫人に会って『遺族が私の出席を望んでいないようですね』と尋ねたところ、夫人は驚きながら『そのようなことは一度もなかった』と答えた。海軍が私の出席を防ぎ、行事を縮小しようと嘘をついたのだ」。

文大統領は執権後、西海守護の日の行事を2度欠席した。一度はベトナム訪問、一度は大邱(テグ)訪問のためだった。祖国のためにかけがえのない命を捧げた護国英霊の追悼式に出席せず、昨年ようやく追悼式に出席した。総選挙の20日前であり、「選挙を意識して出てきたのでは」という声もあった。さらに文大統領は追悼の言葉で「北朝鮮」の「北」の字にも触れなかった。コロナ防疫が順調だという自画自賛で追悼の言葉を埋め、出席者を当惑させた。もどかしさから遺族のユン・チョンジャさんは文大統領に近づいて絶叫した。「人々は『天安』が誰の犯行なのか知らないと言っている。胸がつぶれそうになる。大統領がこの恨みをなんとか解消してほしい」。すると、文大統領は小さな声で「北朝鮮の犯行という政府の公式立場に変わりはない」と話した。

「天安」爆沈について文大統領は党代表に就任した2015年、初めて「北朝鮮の犯行」と発言した。しかしその後、「天安」の「天」の字にも触れなかったが、大統領就任から3年後、公開的な席で遺族の追及を受けた末「北朝鮮の犯行」と口にしたのだ。さらにこの政権は2018年の平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)に北側が「天安」爆沈の主犯である金英哲(キム・ヨンチョル)労働党中央委員会副委員長を派遣すると、国賓として礼遇して免罪符を与えた。

劉承ミン元議員は軍の異例の「天安」追悼行事縮小の背景について「追悼式しなければ非難されるためするしかないが、北が気になるので最大限に縮小して進めようというのが本心だろう」という見方を示した。その推測が事実ではないことを望む限りだ。

カン・チャンホ/記者



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