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尹美香氏が残した課題「被害者中心主義」…文政府になりすでに慰安婦被害者21人が死去(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

昨年8月、強制徴用-慰安婦問題関連の写真展示会がソウル汝矣島(ヨイド)国会議員会館で開かれた。市民が展示作品を観覧している。キム・ギョンロク記者

◆「被害は集合的・歴史的なこと」vs「当事者の意志が重要」

一部では「被害者が望んでいるからという理由で不充分な解決法を受け入れるのが正義に符合するのか」という問題を提起する。これを後押しする論理として、ソウル大法学専門大学院のヤン・ヒョナ教授は、2015年合意を被害者中心主義の観点から分析した論文『2015年韓日外交長官の「慰安婦」問題合意で被害者はどこにいる(いた)のか:その内容と手続き』がある。

ヤン教授はこの論文で「女性たちの被害は単に個人的なことではなく集合的かつ歴史的なこと」なので「生存被害者40人余りの意見と存在は大変重要ではあるが、それでも慰安婦問題の解決と賠償問題がこの個人たちに対する賠償で終わることはできない」と結論を下した。正義連帯などの団体はこのような論理で「謝罪と賠償にも一定の基準が充足されなければならない」と主張してきた。


そのような面で尹美香事態は個人の不正を超え、より根本的な質問をわれわれに投げかけている。「団体は反対するが、被害当事者が受け入れることを望む解決法があるなら、これを団体が(暗黙的でも)阻止する権利があるのかどうか」に対する質問だ。少なくとも「おばあさんたちは生前、挺対協や尹美香代表を恐れた」(梁順任会長)という批判は心して受け入れる必要があるという指摘だ。

◆「被害者中心主義」の意味を明確にすべき

さらに政府が最優先視しているという「被害者中心主義」が何を意味するのかを明確にする必要がある。聖公会(ソンゴンフェ)大学日本学科の梁起豪(ヤン・ギホ)教授は「日本メディアや市民団体は、すでにかなり以前から真の被害者中心的解決の意味とは何なのかを問いかけてきた」とし「これは韓国政府に慰安婦問題を解決したいという意志が本当にあるのかどうかに対する問いかけでもある」と説明した。

政府が把握している240人余りの慰安婦被害者のうち、生存者はあと17人しかいない。慰安婦被害者の多数が亡くなったということは「被害者のいない慰安婦運動」が遠からず来るということだ。そのときが来れば「おばあさんの真の遺旨」を主張する歴史団体の泥仕合が繰り広げられるかもしれない。

「被害者中心主義」は、なにも慰安婦問題解決に限って適用される原則でもない。「個別被害者-団体」はもちろん、「団体-団体」間の乖離は現政権が直面した強制徴用問題でも存在するためだ。


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