「遅くて不十分、不正確な対応で、IT(情報技術)後進国としての日本の弱点がそのまま露出している」
9日夜、日本民間放送TBSの時事番組『ニュースキャスター』に出演したITジャーナリストの三上洋氏は、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の対応過程で明らかになった日本ITの現状をこのように皮肉った。
社会各分野におけるIT化が遅れている日本の弱点が、新型コロナウイルス(新型肺炎)を契機に一気に噴出しているということだ。
先週、権威紙の日本経済新聞が1面で「ITや民間活力の導入という21世紀の世界標準から取り残されてしまったままでは、ウイルスとの闘いに勝つことは難しい」と指摘したことに続き、日本社会でIT自省論が続けざまに提起されている。
(1)検査件数をファックスや電話で集計
コロナPCR検査の件数と結果が地方から中央政府にすぐに伝えられておらず、正確な陽性比率の集計さえ不可能という事実が最近、日本で明らかになった。TBSはこれもまた日本の不十分なIT環境のためだと分析した。
「地方自治体から毎日報告を受けるべきだが、自治体が忙しいため遅れている」という加藤勝信厚生労働相の発言も同じ脈絡だった。政府と地方自治体間のコミュニケーションが電子化されておらず「紙(書類)ベース」によって行われているため、業務連絡がどうしても遅れてしまうということだ。
国からの統一ガイドラインがなく、地方自治体によって一部はファックスで、一部はオンラインで報告するなど対応に違いがあるためデータがリアルタイムで集まりにくい。
10日付読売新聞は「(日本)政府は、新型コロナウイルス対策を迅速化するため、全国の病院の医療体制に関する情報を集約するデータベース(DB)を整備し、今月中にも運用を始める」と報じた。
これを土台に外来・入退院患者数、病床の稼働状況、人工呼吸器の利用状況やPCR検査の実施件数、医療用マスクと防護用ガウンなどの医療用物資の備蓄数などに対する情報を政府や地方自治体などが共有するのが目的だ。
日本国内で最初の感染者が発生してから4カ月ぶりに日本政府がやっと動き始めた。
(2)マイナンバーカードの暗証番号確認に10時間の列
日本政府は国民1人あたりに10万円ずつ「特別定額給付金」を配布することにした。予算まですべて処理が終わったが、大都市の場合、資金が全く執行されずにいる。
韓国の住民登録証に該当する「マイナンバーカード」を保有している住民に限りオンライン申請が可能な状況だが、カード普及率は全体国民の15%にすぎないためだ。
そのうえ、オンライン申請のためにはカード発行当時に区庁に通知したパスワードを一緒に記入しなければならないが、これを忘れた人々がパスワードを新たに設定するために連日東京の区庁が混雑を極めている。毎日新聞によると、今月7日、東京品川区庁ではこのせいで10時間待った住民も多かったという。日本国内では「アナログ日本を象徴するコメディ」という指摘も出ている。
(3)日本IT長官は「はんこ議連会長」
TBSは台湾のマスク大乱を解決したオードリー・タン・デジタル担当政務委員、韓国の防疫指令塔である鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理本部長などの活躍を紹介して日本のIT担当相である竹本直一氏(79)と比べた。
日本国内では「書類に印鑑を必ず押さなければならない文化が在宅勤務の大きな障害になっている」という指摘が絶えない。ところが逆説的なことにIT担当相である竹本氏が印鑑と印鑑業界の利害を代弁する自民党内の「はんこ議連(日本の印章制度・文化を守る議員連盟)」会長を務めている。
竹本氏は最近、国会で「日本も台湾のようにマスクの現況をITで管理しなくてはならないのではないか」という野党議員の質問に「私たちは基礎的データがない。それが現実」と無責任に答えて論争を巻き起こした。
(4)オンライン授業実施は5%にすぎず
日本政府が先月中旬に発表した現況によると、全国公立学校中で「双方向オンライン授業」を実施している学校の比率は5%にすぎなかった。
小池百合子・東京都知事などが一歩遅れて「公立学校にオンライン授業が可能な機材を提供するために予算を策定する」と話したが、教育現場では「突然そのような機材が来てもすぐにオンライン授業を実施できる環境ではない」という反応が出ているとTBSは伝えた。TBSによると、従業員の雇用を維持する事業主を支援するために日本政府が用意した「雇用調整助成金」の場合、オンラインでは申請そのものが不可能だ。
また途方もない種類の書類を要求しているので事業主が困惑しているという。
このため、厚生労働省が運営する公共職業安定所の前に連日順番を待つ事業主の行列ができているという。
9日夜、日本民間放送TBSの時事番組『ニュースキャスター』に出演したITジャーナリストの三上洋氏は、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の対応過程で明らかになった日本ITの現状をこのように皮肉った。
社会各分野におけるIT化が遅れている日本の弱点が、新型コロナウイルス(新型肺炎)を契機に一気に噴出しているということだ。
先週、権威紙の日本経済新聞が1面で「ITや民間活力の導入という21世紀の世界標準から取り残されてしまったままでは、ウイルスとの闘いに勝つことは難しい」と指摘したことに続き、日本社会でIT自省論が続けざまに提起されている。
(1)検査件数をファックスや電話で集計
コロナPCR検査の件数と結果が地方から中央政府にすぐに伝えられておらず、正確な陽性比率の集計さえ不可能という事実が最近、日本で明らかになった。TBSはこれもまた日本の不十分なIT環境のためだと分析した。
「地方自治体から毎日報告を受けるべきだが、自治体が忙しいため遅れている」という加藤勝信厚生労働相の発言も同じ脈絡だった。政府と地方自治体間のコミュニケーションが電子化されておらず「紙(書類)ベース」によって行われているため、業務連絡がどうしても遅れてしまうということだ。
国からの統一ガイドラインがなく、地方自治体によって一部はファックスで、一部はオンラインで報告するなど対応に違いがあるためデータがリアルタイムで集まりにくい。
10日付読売新聞は「(日本)政府は、新型コロナウイルス対策を迅速化するため、全国の病院の医療体制に関する情報を集約するデータベース(DB)を整備し、今月中にも運用を始める」と報じた。
これを土台に外来・入退院患者数、病床の稼働状況、人工呼吸器の利用状況やPCR検査の実施件数、医療用マスクと防護用ガウンなどの医療用物資の備蓄数などに対する情報を政府や地方自治体などが共有するのが目的だ。
日本国内で最初の感染者が発生してから4カ月ぶりに日本政府がやっと動き始めた。
(2)マイナンバーカードの暗証番号確認に10時間の列
日本政府は国民1人あたりに10万円ずつ「特別定額給付金」を配布することにした。予算まですべて処理が終わったが、大都市の場合、資金が全く執行されずにいる。
韓国の住民登録証に該当する「マイナンバーカード」を保有している住民に限りオンライン申請が可能な状況だが、カード普及率は全体国民の15%にすぎないためだ。
そのうえ、オンライン申請のためにはカード発行当時に区庁に通知したパスワードを一緒に記入しなければならないが、これを忘れた人々がパスワードを新たに設定するために連日東京の区庁が混雑を極めている。毎日新聞によると、今月7日、東京品川区庁ではこのせいで10時間待った住民も多かったという。日本国内では「アナログ日本を象徴するコメディ」という指摘も出ている。
(3)日本IT長官は「はんこ議連会長」
TBSは台湾のマスク大乱を解決したオードリー・タン・デジタル担当政務委員、韓国の防疫指令塔である鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理本部長などの活躍を紹介して日本のIT担当相である竹本直一氏(79)と比べた。
日本国内では「書類に印鑑を必ず押さなければならない文化が在宅勤務の大きな障害になっている」という指摘が絶えない。ところが逆説的なことにIT担当相である竹本氏が印鑑と印鑑業界の利害を代弁する自民党内の「はんこ議連(日本の印章制度・文化を守る議員連盟)」会長を務めている。
竹本氏は最近、国会で「日本も台湾のようにマスクの現況をITで管理しなくてはならないのではないか」という野党議員の質問に「私たちは基礎的データがない。それが現実」と無責任に答えて論争を巻き起こした。
(4)オンライン授業実施は5%にすぎず
日本政府が先月中旬に発表した現況によると、全国公立学校中で「双方向オンライン授業」を実施している学校の比率は5%にすぎなかった。
小池百合子・東京都知事などが一歩遅れて「公立学校にオンライン授業が可能な機材を提供するために予算を策定する」と話したが、教育現場では「突然そのような機材が来てもすぐにオンライン授業を実施できる環境ではない」という反応が出ているとTBSは伝えた。TBSによると、従業員の雇用を維持する事業主を支援するために日本政府が用意した「雇用調整助成金」の場合、オンラインでは申請そのものが不可能だ。
また途方もない種類の書類を要求しているので事業主が困惑しているという。
このため、厚生労働省が運営する公共職業安定所の前に連日順番を待つ事業主の行列ができているという。
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