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【社説】中国軍用機の侵犯は反中感情の激化を招く

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
複数の中国軍用機が韓国防空識別区域(KADIZ)を侵犯し、懸念が強まっている。昨年7月のTHAAD(高高度ミサイル防衛)配備決定以降、韓中軍事交流は全面中断した状態だ。韓民求(ハン・ミング)国防部長官の中国訪問など予定されていた9件の軍事関連日程がすべて実現しなかった。これのどこが戦略的協力パートナーシップ関係かという声が出ている。このように韓中関係が疎遠になった中、中国は核兵器を搭載できる戦略爆撃機など軍用機を離於島(イオド)近隣を通って東海(トンヘ、日本名・日本海)上空に飛ばした。防空識別圏は自国の領空に接近する軍用航空機を早期識別するために設定した任意のラインであり、主権は及ばない。しかし事前通告なく侵犯すれば該当国の戦闘機が出撃する。今回も韓国の戦闘機が緊急発進する非常状況となった。韓国側の警告通信に対し、中国は「訓練状況」という短い返答だけをしたという。

中国のKADIZ侵犯は初めてではない。しかし今回のように10余機が一度に、それも4-5時間にわたり事前通告なく侵犯したのは異例だ。その意図に対してはいくつかの解釈が出ている。日本防空識別区域も侵犯した点から、東シナ海領有権紛争に関連して日本に警告を送ったと見る人もいる。またトランプ政権発足を控えて南シナ海に空母を出港させた米国に対する武力示威という見方もある。

しかし我々は中国のまた別のTHAAD報復ではないかという疑いを振り払えない。中国の最新型戦略爆撃機と早期警戒機・偵察機などが2機ずつ編隊を組んで午前10時から午後3時まで数回KADIZを行き来し、長ければ1時間にわたりKADIZ内を飛行するなど、前例のない行動を見せたからだ。複数の軍用機で長時間にわたりKADIZを飛行するというのは、明らかに韓国にメッセージを送る行動だ。中国はTHAAD配備決定後、人的往来縮小、文化交流制限、経済報復などを続けている。その中国が今後は軍事的圧力カードも取り出したという分析が出ている。


しかしこうした中国の武力示威は韓国国民の反中感情を強める。中国がTHAADを韓国に導入しようとする米国に対してはこれといった対応ができず、弱い韓国を選んで叩いているように映るからだ。韓国はすでに6カ月間続いた中国の経済・社会・文化的圧力で少なからず傷を負っている。また、中国は韓国の野党にTHAAD再検討を呼びかけたりしている。ここに軍事的な脅迫まで加われば、中国は結局、覇権的に君臨しようとする国ではないかという認識を与える可能性が高い。また、国交正常化25周年を迎える韓中関係の現状がこの程度かという悔恨の情にかられる。隣人に対する中国の伝統的な態度を表す言葉に「与党隣為善 以隣為伴(隣人とうまく過ごし、隣人と同伴者として付き合う)」という言葉がある。中国のより思慮深い行動を促す。



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