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【コラム】歴史の正しい記憶を望むならば…=韓国(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
15年前、日本の東京大学に留学していた時のことだ。印象深いことに法学政治学研究科では韓国政治外交学科の一般的なカリキュラムとは違い、日本の政治外交史や日本の政治思想史が核心的な科目の1だった。授業時間には近現代の日本の枠組みを作った主な政治家と思想家の日記や著作を学生たちに読ませながら当代の政治と社会を深く理解させていた。

例えば私たちには植民地化の元凶として知られているが明治時代の憲法と政治制度を設計した伊藤博文の日記を読みながら、当代の政治外交史を自然に理解するようにさせていた。戦後の平和憲法を制定して日米同盟の締結を主導した吉田茂の回顧録も読みながら現代日本がどんな戦略のもとで再建国されたかを理解させていた。それで重要な政治家らが亡くなればその遺族たちが日記や著作など故人の関連資料を主な大学の図書館に寄贈して研究資料として提供していた慣行も、韓国の現実と比較して興味深かった。

数年前、米国の大学で1年休暇をとって研修をした時も似たような経験をした。ハーバード大学など米国の名門大学では学生たちにジョージ・ワシントンやアレクサンダー・ハミルトン、トーマス・ジェファーソンなど米国建国の過程で重要な役割を果たした人物が残した文書を教養書籍のように読んでいた。こうした過程を通じて若い世代に建国の精神を自然に継承するようにしていると思われた。日本の名門大学と同じように米国大学でも、歴史学科ではなく政治学科など社会科学分野でこのような政治外交史の教育を強調しているのも印象深かった。


韓国はどうだろうか。米国や日本の大学に比べて韓国の主な大学の政治学科や歴史学科のカリキュラムでは、現代政治外交史や政治思想分野の教育と研究が全般的に不十分だ。一部の研究者によって関連分野が研究されてはいるが、資料の発掘や学科目の開設はほかの社会科学分野に大きく押されている局面だ。そうするうちに現代建国の主役だった李承晩(イ・スンマン)大統領を含む主要人物の演説文や日記などの資料集の発刊も活発ではない。朴正煕(パク・チョンヒ)大統領の場合は在任当時に秘書室で毎年演説文集を刊行して主要な参考になるが、その日記や書簡などの資料集が刊行されることはなかった。(中央SUNDAY第454号)



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