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【コラム】嘘と誤判断がもたらした韓国のコロナ大流行(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
第3波の時も同じような形だった。文大統領は昨年12月9日、「いよいよワクチンと治療剤で長いトンネルの終わりが見える」と楽観した。だが、3日後に感染者が1000人を越え、すぐに韓国に入ってくると言っていたワクチンは便りが途絶えた。病床不足で犠牲者が増え始めた。「ワクチンは安全性が立証された後に購入しても遅くない」という政府に対する民心の逆風が吹いた。青瓦台広報室は貧弱な釈明を出した。「昨秋から大統領が金を借りてもワクチンを確保しろと指示したが、実務陣の『うまく進んでいる』という報告だけが上がってきた」という面皮性の報道資料をよこした。

今回の第4波はこれ以上言い訳するところがない。政治防疫の土台がすっかり明らかになってしまったからだ。特に現政権核心支持基盤である全国民主労働組合総連盟(民主労総)の今月3日の不法集会が決定的だった。ソウル都心で8000人が集会を開いたが政府の対応は中途半端だった。第1波の新天地、第2波の時の保守陣営に対する殺伐な魔女狩りと全く違う状況だった。一歩遅れて大統領が「防疫措置違反に非寛容で対応する」と明らかにしたが、それも「民主労総」という主語を抜いてしまった状態だった。

最近、政府が裏で矛先を分からないように転じているのは2030世代だ。若者層の感染者が増加しているというのだ。だが、専門家の見解は違う。伝播力が2.7倍高いデルタ株ウイルスが優占種になっている状況で、本当の問題はワクチンがないということだ。国内外の専門家は「変異株であろうと何であろうとワクチン接種を早く終えるのが唯一の解決法」と口をそろえる。それでも政府は以前と「K防疫の核心は成熟した市民意識」という古いレコードを回している。ワクチン早期確保に失敗したためだ。


文大統領はモデルナCEOとの電話会談で4-6月期から2000万人分の供給を受けることにしたが、今まで到着したモデルナはまだ2%にも達していない。韓国政府は「今年合計1億人分のワクチンを確保した」と明らかにしたが、1次接種率は30%、2次接種率11%で横ばいだ。昨年12月末、高ミン廷(コ・ミンジョン)民主党議員が掲げた「4000万人ワクチン確保」という垂れ幕は今も笑いものとして引き合いに出される理由も同じだ。ワクチンが政治的宣伝物に変質したのだ。

ワクチン不足は今月末を超えてこそ一息つけるものとみられる。7月末~8月初め1000万回分が到着する予定だ。その時まで自営業者と庶民の阿鼻叫喚が高まるよりほかはない。半月の間、過酷な「距離確保」第4段階に史上最悪のワクチン日照りという二重苦に耐えなければならないためだ。それでも高齢者ワクチン接種がある程度進んで重症比率と致命率が第1~3波時に比べて減ったことは幸いといえば幸いだ。

第1~4波の共通分母は青瓦台が楽観論を主導したことだ。中央対策本部がその顔色をうかがって距離確保の緩和などを立案すると、青瓦台が最終承認して、必ず危機が訪れた。そして疾病庁が後始末に出て、かろうじて縫合した。このような悪循環の中で自営業者が犠牲になり、医療スタッフは魂まで入れ替えなければならなかった。

最近、翰林(ハンリム)大学医大の鄭ギ碩(チョン・ギソク)教授(前疾病管理本部長)は京郷(キョンヒャン)新聞報道を通じてこのように明らかにした。「疫学調査のような実務は疾病庁でして政策決定は他の所でする。中央政府では疾病庁がコントロールタワーではないようだ」。今年初め「ワクチン接種に関連し、疾病庁長が全権を持って全部署の指揮にあたってほしい」と述べた文大統領の指示と違う状況だ。

保守野党は今回の第4波を巡り、奇牡丹(キ・モラン)防疫企画官を精密打撃している。鄭庁長など現場専門家の意見が反映されず、青瓦台主導の政治防疫が繰り返される背景に彼女がいるとみた。

その結果、今回も民間感染病専門家と青瓦台の診断は交錯している。文大統領は「2週間、短く太く」を約束したが金宇柱、チョン・ジェフン、チョン・ウンミ教授などは悪夢の夏を占っている。伝播力が強いデルタ株に休暇シーズンの全国的な風船効果のためだ。専門家は「新規感染者が2000人を超えれば首都圏はロックダウン(封鎖)に入り、全国的にも第4段階に準ずる劇薬措置が避けられなくなるだろう」と懸念する。科学的であるべき防疫が政治的に汚染されて厳しい結果を招き始めたのだ。

イ・チョルホ/中央日報コラムニスト


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