イスラエルで先月３１日（現地時間）、ネタニヤフ首相の退陣と早期総選挙を求める反政府デモが開かれた。パレスチナ武装政派ハマスとの戦争が勃発した後、最大規模となる。ネタニヤフ首相が率いる戦時内閣が人質・休戦交渉、超正統派ユダヤ教の軍入隊問題などを十分に解決できないことを受けて累積していた不満が爆発した。

外信によると、この日エルサレムにあるクネセト（議会）建物周辺に市民が集まり、ネタニヤフ政府が主導する右派連合政府の退陣を求めた。主宰側はデモ参加者を１０万人と集計し、現地放送は「戦争勃発以降、最大規模」と伝えた。

デモ隊は議会周辺にテントを張って３日まで４日間連続デモを行うことにしている。デモ隊は昨年ハマスの奇襲攻撃以降６カ月間、ネタニヤフ戦時内閣がハマス殲滅（せんめつ）、人質全員救出などを成功させることができなかったと批判した。ネタニヤフ首相は退陣要求を一蹴した。記者会見で「いま総選挙を行えば、ハマスとの人質交渉が最大８カ月間麻痺（まひ）する」としながら「このような状況を最も歓迎するのはハマス」と強調した。


今回のデモの導火線は超正統派ユダヤ人「ハレディー」の徴集免除を維持・拡大する法案のためだ。現地メディアによると、ハレディーに対する兵役免除を永久化し、免除対象を拡大する内容が含まれている。

今回の戦争で今まで約６００人のイスラエル国防軍兵士が死亡したが、ハレディー側は軍服務を負担しようとせずイスラエル国民の怒りが大きくなった。戦時内閣に参加してきた中道派野党「国民統合党」のベニー・ガンツ代表はこの法案が議会を通過すれば仲間と共に戦時内閣から脱退すると明らかにした。

反面、ユダヤ教超正統派の宗教政党「シャス」の議員は徴集免除を延長しなければ内閣を離れるとしてネタニアフ首相を圧迫した。ＮＹＴは「この問題がシャスと右翼連合を成し遂げたネタニヤフ内閣崩壊につながりかねない」と指摘した。

ハレディーはユダヤ教経典「トーラー」を学び、厳格な信仰生活を行っている分派だ。白シャツ、黒スーツにシルクハットなど旧約聖書に書かれた服装・生活方式を今も守っている。彼らはユダヤ人大虐殺で抹殺されたユダヤ人文化と学問を復活させるためにその多数が別途に職業を持たず政府の補助金を受けて生活しており、イスラエル建国（１９４８年）当時から兵役の免除を受けている。イスラエル全体人口の１２％ほどと推算される。

ネタニヤフ首相は先月３１日、「兵役分担の平等を成し遂げるために努力しなければならない一方、ハレディーには徴集を強要してはいけない」としながら「我々がこの問題に対する解決策を見つけることができると信じている」と強調した。