米国のインフレ抑制法（ＩＲＡ）が施行されれば、毎年１０万台以上の輸出に支障をきたす恐れがあるという主張が出た。

自動車産業連合会は２５日、立場文を通じて「米国のＩＲＡ発効が世界貿易機関（ＷＴＯ）補助金規定に違反する」とし、「経済安保同盟国である韓国で生産される電気自動車に対して、北米産電気自動車と同じ税制優遇を与えなければならない」と促した。自動車産業連合会は、韓国自動車産業協会と韓国自動車産業協同組合、自動車部品産業振興財団など１０団体で構成されている。

連合会は、米国内の電気自動車市場シェア２位の韓国製電気自動車が補助金の恩恵を受けなければ、算術的に毎年１０万台余りの輸出支障が発生すると見通した。今年上半期、北米市場で販売された韓国製エコカーは４万５０００台程度だ。今年、米国の電気自動車市場が２倍に成長するという見通しを考えると、来年から１０万台以上の輸出支障が生じるということだ。完成車業界はもちろん、部品業界も直撃弾を受けかねない。連合会は、電気自動車への転換を推進している国内１万３０００社余りの自動車部品メーカーも困難に直面すると強調した。


昨年基準で米国の輸入電気自動車販売台数（プラグインハイブリッド・水素自動車を含む）は、韓国製が３万２０００台、日本勢が６万３０００台、ドイツ製が５万台、スウェーデン製が２万３０００台と集計された。市場調査会社ブルームバーグＮＥＦは、米国の電気自動車販売台数が昨年６５万台から今年１２０万台以上に成長すると予想した。

連合会はＩＲＡが韓米ＦＴＡの内国民待遇原則と米国がサプライチェーン協力などのために推進しているインド・太平洋経済枠組み条約（ＩＰＥＦ）の在り方、米国のジョー・バイデン大統領が訪韓時に強調した韓米経済安保同盟の強化などに違反していると明らかにした。連合会は「わが国会と政府も法案改正のために交渉努力をしなければならない」とし「国内でも電気自動車補助金制度を改善し、電気自動車輸出業者に対する一時的な法人税減免、電気自動車輸出補助金の支援などの対策を立てなければならない」と付け加えた。

自動車産業連合会のチョン・マンギ会長は「（ＩＲＡ発効は）電気自動車の国内生産萎縮はもちろん、未来自動車の競争力と雇用にも悪影響を与える恐れがあり、官民の積極的な共同対応が切実だ」と述べた。チョン会長は「電気バス補助金の中で約５割を中国勢に提供する国内補助金制度を改善し、『電気自動車輸入促進策』に変質している無公害車の普及目標制度も改善する必要がある」と述べた。