「救急車の中で10時間待つのは基本です。病院に病床を探す電話を20回はします」。
25日午後、ソウルのある大型病院の前で会った119救急隊員のAさんはこのように話した。彼は白い保護服を頭までかぶり、マスクとフェイスシールドを着用したままだった。Aさんはこの日新型コロナウイルス陽性判定を受け病床の配分を待つ感染者を搬送した。この患者は自宅療養中に酸素飽和度が急激に下がるなど状態が悪化したため通報した。この日は患者を乗せてから7時間で病床が見つかったが、それでも早く見つかった方だという。
新型コロナウイルス重症患者の病床が不足し救急車が患者を抱え込んでいる。陽性判定後に自宅で病床を待機していた患者や自宅療養中に病状が悪化し病院に移らなければならない患者が救急車に乗せられたまま病床が空くことだけを待つ現象が発生したのだ。Aさんは「いま出動した救急車も私たちが3台目。救急車内に準備された酸素がなくなり3台が交代しながら7時間にわたり酸素を供給した」と話した。これまでは救急隊が「患者を連れて行く」と病院に連絡してから数分で搬送していたが、いまは患者を受け入れる病院を探しながらあてもなく待たなければならない。
中央事故収拾本部によると、28日午前0時基準で全国の新型コロナウイルス病床待機者は1265人だ。このうち70歳以上の高齢患者が486人だ。27日午後5時基準で首都圏の重症患者病床稼動率は85.4%ですでに飽和状態だ。特にソウルでは病床が48個しか残っていない。
中央事故収拾本部病床配分班で病床を配分した場合ならば救急隊は搬送だけすればよい。しかし救急出動は話が違う。重症患者の使用可能病床が減り患者はまず出動した救急車で待機する場合が多い。
また他の大型病院で会った救急隊員のBさんは、「重症に悪化したと連絡を受けて搬送する場合、病院に電話をかけ続けながら行くが感染者を受け入れてくれない。6時間以上ずつ救急車が交代しながら待機する」と話した。重症患者の病床待機が「救急車待機」につながっているのだ。
◇「私たちは医師でも看護士でもないが」…救急隊に預けられた重症患者
待機している間、患者のそばで守り続けなければならない救急隊員は不安を訴える。救急車内でできる医療行為には限界があるためだ。Aさんは「救急車は患者を観察したり治療する所ではなく搬送する所。患者に酸素だけ与え続け『もう少しだけ待ってください』という責任を持てない話をしなければならない状況がとても腹が立つ」と吐露した。
救急隊員のCさんは「待っても病床が空かず、状態が重い患者を自宅に送り返す場合もある。待機状態で患者の状態が悪化してもそのまま見守る以外に方法がない」と話した。
◇足止めされる救急隊に「搬送空白」の懸念も
救急隊が重症患者の病床待機に身動きもせず足止めされる状況で一般患者に対する搬送空白の懸念も出ている。Aさんは「救急車は限定されているため、救急車が押さえられている間はそれだけ一般救急患者に手が回らなくなるほかない。患者1人のために救急車が遠距離を動かすことはできず、私たちが患者を見た時に重くなければ『これぐらいなら大丈夫だ』と話して引き返すのが実情」と話した。
専門家らは病床対策が緊急だと指摘する。高麗大学九老病院感染内科のキム・ウジュ教授は病床待機状況に対し「感染者が減らない限り重症患者病床を1200個作ったとしてもその人数が入院したら2000人が待機中になる。社会的距離確保を強化しブースター接種を急ぐのが答」と話した。また「さらには今後入ってくるかもしれないオミクロン株は感染も3~5倍速くワクチンの効果も落ちる可能性がある」として早急な対策が必要だと指摘した。
ソウル大学医学部医療管理学室のキム・ユン教授は「『急病患者を先に見る』というこれまで守ってきた原則通りに病床を配分してこそすべての負担が減る。病院でもっと緊急な新型コロナウイルス患者に重症患者室を渡さなければならない」と話した。キム教授は「患者が少数ならば陰圧隔離室で見ることができるが、いまは人材を拡充して病棟ひとつを空けてコロナ患者だけ見なければならない時」と話した。
翰林大学医学部社会医学教室のキム・ドンヒョン教授は「行政命令で少しずつ集めてという病床確保はもう難しいようだ。5~10病床できても人材配置が難しく患者治療に効率的でない。中小病院や市立病院、公共医療院を活用して病院全体をコロナ重症患者専従病院に指定し支援しなければならない」と話した。
25日午後、ソウルのある大型病院の前で会った119救急隊員のAさんはこのように話した。彼は白い保護服を頭までかぶり、マスクとフェイスシールドを着用したままだった。Aさんはこの日新型コロナウイルス陽性判定を受け病床の配分を待つ感染者を搬送した。この患者は自宅療養中に酸素飽和度が急激に下がるなど状態が悪化したため通報した。この日は患者を乗せてから7時間で病床が見つかったが、それでも早く見つかった方だという。
新型コロナウイルス重症患者の病床が不足し救急車が患者を抱え込んでいる。陽性判定後に自宅で病床を待機していた患者や自宅療養中に病状が悪化し病院に移らなければならない患者が救急車に乗せられたまま病床が空くことだけを待つ現象が発生したのだ。Aさんは「いま出動した救急車も私たちが3台目。救急車内に準備された酸素がなくなり3台が交代しながら7時間にわたり酸素を供給した」と話した。これまでは救急隊が「患者を連れて行く」と病院に連絡してから数分で搬送していたが、いまは患者を受け入れる病院を探しながらあてもなく待たなければならない。
中央事故収拾本部によると、28日午前0時基準で全国の新型コロナウイルス病床待機者は1265人だ。このうち70歳以上の高齢患者が486人だ。27日午後5時基準で首都圏の重症患者病床稼動率は85.4%ですでに飽和状態だ。特にソウルでは病床が48個しか残っていない。
中央事故収拾本部病床配分班で病床を配分した場合ならば救急隊は搬送だけすればよい。しかし救急出動は話が違う。重症患者の使用可能病床が減り患者はまず出動した救急車で待機する場合が多い。
また他の大型病院で会った救急隊員のBさんは、「重症に悪化したと連絡を受けて搬送する場合、病院に電話をかけ続けながら行くが感染者を受け入れてくれない。6時間以上ずつ救急車が交代しながら待機する」と話した。重症患者の病床待機が「救急車待機」につながっているのだ。
◇「私たちは医師でも看護士でもないが」…救急隊に預けられた重症患者
待機している間、患者のそばで守り続けなければならない救急隊員は不安を訴える。救急車内でできる医療行為には限界があるためだ。Aさんは「救急車は患者を観察したり治療する所ではなく搬送する所。患者に酸素だけ与え続け『もう少しだけ待ってください』という責任を持てない話をしなければならない状況がとても腹が立つ」と吐露した。
救急隊員のCさんは「待っても病床が空かず、状態が重い患者を自宅に送り返す場合もある。待機状態で患者の状態が悪化してもそのまま見守る以外に方法がない」と話した。
◇足止めされる救急隊に「搬送空白」の懸念も
救急隊が重症患者の病床待機に身動きもせず足止めされる状況で一般患者に対する搬送空白の懸念も出ている。Aさんは「救急車は限定されているため、救急車が押さえられている間はそれだけ一般救急患者に手が回らなくなるほかない。患者1人のために救急車が遠距離を動かすことはできず、私たちが患者を見た時に重くなければ『これぐらいなら大丈夫だ』と話して引き返すのが実情」と話した。
専門家らは病床対策が緊急だと指摘する。高麗大学九老病院感染内科のキム・ウジュ教授は病床待機状況に対し「感染者が減らない限り重症患者病床を1200個作ったとしてもその人数が入院したら2000人が待機中になる。社会的距離確保を強化しブースター接種を急ぐのが答」と話した。また「さらには今後入ってくるかもしれないオミクロン株は感染も3~5倍速くワクチンの効果も落ちる可能性がある」として早急な対策が必要だと指摘した。
ソウル大学医学部医療管理学室のキム・ユン教授は「『急病患者を先に見る』というこれまで守ってきた原則通りに病床を配分してこそすべての負担が減る。病院でもっと緊急な新型コロナウイルス患者に重症患者室を渡さなければならない」と話した。キム教授は「患者が少数ならば陰圧隔離室で見ることができるが、いまは人材を拡充して病棟ひとつを空けてコロナ患者だけ見なければならない時」と話した。
翰林大学医学部社会医学教室のキム・ドンヒョン教授は「行政命令で少しずつ集めてという病床確保はもう難しいようだ。5~10病床できても人材配置が難しく患者治療に効率的でない。中小病院や市立病院、公共医療院を活用して病院全体をコロナ重症患者専従病院に指定し支援しなければならない」と話した。
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