中国の教育当局が２４日、小学校から大学院博士課程まですべての教育過程に「習近平思想」を注入し学生の頭脳を「武装」しろと公式に発表した。シンガポールの聯合早報は２５日、今回の措置について「中国共産党が政治理論を青少年の頭脳に注入する今回の措置は米中競争を長く続く持久戦と予想した長期的準備」と分析した。香港紙の明報は「文化大革命時代に毛沢東思想が語文、数学、歴史などすべての教科書に記載された。習近平語録と写真がすでに刊行された中学校教科書『習近平新時代中国特色社会主義思想学生読本』の各章に登場した」とし過去の文革と同じ措置だと報道した。

２４日に中国教育部が開催した記者会見で、田慧生教科書局長は「最近世界的に百年ぶりの大きな変化が加速化し、国際力の備えに新たな変化が発生した。学生に中華文化の素養を深く植え付け、学生に中国人の覇気と気概、底力を強化して揺らがないよう党の言葉を聞き、党とともに進むように、中国特色社会主義事業を継続して奮闘するための理想と信念を樹立しなければならない」と強調した。学校教育が共産党統治のため寄与しなければならないという趣旨を加減なく表わした。

◇小学生は政治思想、啓蒙に重点


この日教育部ホームページを通じて公開された『習近平新時代中国特色社会主義思想を教科課程教材に入れる指針書』は、小学校から大学院修士・博士課程まで、いわゆる習近平思想の教育方針を明示した。例えば小学校では政治思想と道徳・啓蒙を重視し、中学校では政治的覚悟を向上して人柄と道徳を鍛えることに努め、高校では政治的認識と精神的昇華を強調するようにした。大学では理論的思惟を形成して使命感を強化し、大学院課程で深みある研究と新しい思想の素質と能力を宣伝・解釈・研究して思想に精通しなければならないと指示した。

続く質疑応答ではある記者が最近中国当局が強調している宿題と私教育負担軽減政策とどのようにバランスを取るのかを尋ねた。田局長は「学生の学習時間は限定されているので科目別教科内容総量を統制すべきで、ひとつずつ独立科目を作ってはならない」と答えた。

◇「毛沢東時代のような効果期待できない」

香港の時事評論家の劉鋭紹氏は今回の措置に対し「毛沢東時代ととても似ている措置。現在の中国の思想を宣伝する効果は改革開放以前の時代に大きく満たないだろう」と分析した。匿名の中国国内の教師は「教育部の国家安保、革命伝統、中国伝統文化など主題教育を教科課程に含めた措置は最近の青少年の深刻なファンクラブ文化、享楽主義、緩んだ国家安保意識などを正し、数年間西側の文化衝撃を受けてきた中華伝統を新たに構築できるだろう」と明らかにした。