トランプ米大統領が国連本部で開かれた国連総会を契機に、米国・デンマーク・グリーンランドの3者による北極安全保障協定署名式に参加している。[写真 AP=聯合ニュース]
今回の安全保障協定により現在1カ所である米軍基地は3カ所に増える見通しだ。既存のピツフィク宇宙軍基地は現代化・拡張し、南部ナルサルスアークと東部メステルスビに新たな防衛区域を設置して追加軍事施設を構築することにした。米軍はグリーンランド本土だけでなく海底にもアクセスできることになった。
また、グリーンランドを北大西洋条約機構(NATO)と米本土防衛に向けた軍事拠点として活用できるようにした。米国が推進中の次世代ミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」をグリーンランドに配備できるようにした。具体的な配備方式はまだ確定していない。
NATO非加盟国が協定当事者の合意なくグリーンランドに有人・無人軍事施設を設置したり軍兵力を持続的に駐留させることができないという内容も明示された。北極で影響力を拡大している中国とロシアの軍事的進出を遮断しようとする措置だ。
中国は最近北極海域での活動を増やしている。7月にも中国の砕氷研究船が北極に向かい、米国の排他的経済水域(EEZ)と延長大陸棚を通過して米沿岸警備隊が追跡と監視に乗り出したことがあった。米沿岸警備隊北極管区のリトル司令官は21日、ロイターに中国研究船の北極活動について「海底鉱物探査かもしれないが、中国に軍事的利点を提供する可能性もあるとみている」と明らかにした。
ロシアも2005年以降に北極と北部沿岸の島々にある旧ソ連の軍事基地数十カ所を再稼働・現代化するなどこの地域で軍事力を強化している。3~4月にはロシア軍深海研究総局がノルウェー領スバールバル周辺で深海潜水艇を動員して核心海底光ケーブルを無力化する模擬訓練を行ったりもした。スバールバルは米国もやはり狙っている所だ。
したがって今回の協定は米国が中国とロシアの北極進出を牽制すると同時に、西半球での影響力まで強化する契機になるものとみられる。トランプ大統領はこの日の国連総会演説でグリーンランドを「北米の北側国境」と規定し、「米国はこれ以上西半球のどこであれ米国に対する脅威が足がかりを用意することを許容しないだろう」と強調した。
新しい協定で米国と欧州諸国の間の不和もひとまず沈静化する見通しだ。トランプ大統領は第1次政権当時からグリーンランドの米国編入を主張し欧州諸国と対立してきた。
デンマークとグリーンランド自治政府も協定を歓迎する雰囲気だ。フレデリクセン首相は「この協定は米国に良く、グリーンランドとデンマーク、NATOなどすべてに良い」とした。今回の協定を「ウィンウィンウィン協定」だと表現したニールセン首相は、「われわれは米国の確固とした友人であり、西側同盟の一員だった。いまもそうであり、今後もそうであるだろう。米国の安保はわれわれの安保であり、われわれの安保は米国の安保」と強調した。
ただし信頼を完全に回復するまでは時間が必要だという見方も出ている。ニールセン首相は協定署名後の記者会見で、「トランプ大統領が武力を使用してグリーンランドを得ることもできると威嚇したことはグリーンランド、デンマーク、すべてとの関係を悪化させた。グリーンランド人はこれから米国との信頼を回復する過程を経なければならない」と話した。トランプ大統領はこの日国連総会演説後に記者らと会い、「グリーンランドの米国編入の可能性が完全に消えたか」という質問を受けたが答えなかった。
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