アラスカで訓練中の米陸軍第11空輸師団の兵士 [写真 米陸軍]
<1>「米軍の北極作戦ための準備が不足」
軍事メディアのディフェンスブログは先月23日(以下、現地時間)、英タイムズを引用し、英国とスカンジナビア国家を中心とする欧州同盟国が北極軍事作戦の主な責任を担っていて、米国は北極地域で持続的な作戦を遂行する十分な兵力と経験が不足していることが確認されたと報じた。
NATO(北大西洋条約機構)関係者らは英国・ノルウェー・フィンランド・スウェーデンの兵力が極限の寒さと氷で覆われた地形での作戦に最もよく対応している半面、米軍は装備と訓練ともに不足していると明らかにした。ある情報筋は昨年ノルウェー北部で実施された合同バイキング訓練をこうした不均衡の明確な事例として挙げた。当時の訓練で米軍は北極環境で効果的に作戦を遂行するのに困難があり、結局、訓練指揮官が介入しなければならなかった。
情報筋は、訓練指揮官が北極作戦に最も優れたフィンランド予備軍に対し、米軍を強く追い込まないよう要請する必要があったと伝えた。フィンランド軍があまりにも簡単に米軍に勝てば士気が低下するという言葉を聞いたという。
この訓練ではNATO地上・空中・海上部隊が氷点下の気温、大雪、限られた日照時間など北極地域の実際の状況を模倣した環境で作戦を遂行した。こうした環境で定期的に訓練するフィンランド予備軍は機動性・持久力・戦術的協同力の面で米軍部隊よりも優秀と評価された。
米陸軍は高まる北極圏作戦の重要性から、1965年に解体した第11空輸師団を2022年6月にアラスカで再創設した。北極圏の環境を考慮して従来の車両の代わりにBAEシステムズのベオウルフ全地形対応車両も導入するなど、北極圏の作戦に備えてきた。
氷で覆われた北極地域で必要な砕氷船関連技術も米国はフィンランドなど外国に依存している。ある情報筋は欧州人はノウハウを持っているとし、トランプ大統領が北極地域を防御したいなら北極同盟国を刺激するのは間違った方向だと話した。
NATO計画担当者は現在、欧州主導兵力の北極地域配置案を検討中であり、ここにはグリーンランド周辺と大西洋北部海峡に対する空中監視・海上巡察・海軍力増強などが含まれる。関係者らはNATOの従来の戦略について調整の可能性を残しているが、優先順位と指揮責任に対する政治的な合意が必要だと明らかにした。
<2>NATO事務総長「米国なしに欧州防御できない」と主張
軍事メディアのディフェンスニュースによると、先月26日、マルク・ルッテNATO事務総長は欧州議会で、独自の防御体系構築費用と核能力強化の必要性を根拠に米国なしに欧州が自らを防御できると考えるのなら、それは「夢」にすぎないと述べた。ルッテ事務総長のこうした発言は、トランプ大統領がグリーンランド問題でNATO同盟国に関税で脅迫し、米国が国家防衛戦略で本土防御や西半球防御を優先視するが、米国が依然として信頼できる同盟国なのかという疑問が提起される中で出てきた。
ルッテ事務総長の発言に欧州で独自の防衛能力を備えるべきだと主張してきた核保有国フランスは直ちに反発した。バロ仏外相は欧州がNATO内で欧州の安保の責任を担う軸を構築するべきだと反論した。安保政策分析家らも米国が欧州を支援すると信じることができないため欧州は選択の余地がないと主張した。欧州委員会のクビルリウス防衛・宇宙担当委員は今月初め、米国が欧州から撤収する場合、NATO内から欧州に構成された軸をどう構築するか、そして欧州大陸に駐留する10万人規模の米軍常備軍を何に変えるかを検討することを各国に促した。チューリッヒ連邦工科大学安保研究センターのゲジネ・ウェーバー研究員は寄稿で「ルッテ事務総長こそが、米国が欧州を防御する意志があり、信頼できるパートナーになるという夢から覚めなければいけない」と指摘した。
米戦略国際問題研究所(CSIS)欧州プログラム・ディレクターのマックス・バーグマン氏も寄稿で、ルッテ事務総長の発言は根拠がなく、「欧州は集中力と決意さえあればロシアを抑止して自らを防御できる」と主張した。続いて、欧州の無力感を助長するのがルッテ事務総長に官僚的な利益を与えるだろうが、これは誤りであり、行動を遮断して意図的に現実に背を向けるものだと批判し、米国は欧州を守りに来ないはずだと警告した。バーグマン氏は欧州が独自で進もうとすれば、現在のNATOの目標であるGDP比5%国防費支出では絶対に不可能だと警告し、10%を支出する必要があると主張した。
一方、ウォールストリート ジャーナル(WSJ)は、欧州大陸で防衛産業を復興させて米国の軍事力を完全に確保するには約1兆ドル(約150兆円)が必要と見込まれると報道した。
【ミリタリーブリーフィング】フィンランド軍が米軍をすべて圧倒…グリーンランド狙う米国、北極戦闘力は低い(2)
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