グローバル・レアアース(希土類)市場の絶対的強者である中国は、全世界の生産量の約70%、精製・加工分野では80%以上を占めている。ロイター=聯合ニュース
◇米、埋蔵量3位のブラジルに和解のジェスチャー
まずNSSで米国は、目の先にある西半球(アメリカ大陸とその周辺)の覇権再確立と、レアアースなど戦略物資の確保を連携させている。中国・ロシアの影響力を遮断するとともに、西半球に埋蔵されたレアアースを確保しようというものだ。いわゆるグリーンランド-北米本土-中南米をつなぐ戦略物資サプライチェーンの構築がそれだ。
こうした戦略に基づき、米国は欧州の強力な反発に一旦は退いたものの、関税賦課や軍事作戦のカードまで持ち出しながらグリーンランドの併合を試みた。「南米のトランプ」と呼ばれるジャイル・ボルソナロ前ブラジル大統領に対する不公正な裁判を理由に、昨年50%の関税爆弾を浴びせたブラジルとも関係改善に乗り出している。ブラジルは中国に次ぎ世界3位水準のレアアース埋蔵国だ。昨年、米国際開発金融公社(DFC)はブラジル北部に位置するセハ・ベルジ(Serra Verde・緑の山脈)レアアース鉱山開発プロジェクトへの大規模な金融支援を承認した。トランプ大統領は来月、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領と第2期就任後初となる首脳会談も開催する予定だ。
あわせて米国は約120億ドル(1兆8800億円)規模の戦略鉱物備蓄計画「プロジェクト・ボルト」(Project Vault・別名「金庫プロジェクト」)をスタートさせた。このプロジェクトは石油戦略備蓄(SPR)と類似した方式で核心鉱物を備蓄し、中国発サプライチェーンショックに対応しようというものだ。同盟およびパートナー国を中心とした国際サプライチェーン協力戦略も本格的に稼働している。米国は核心鉱物のサプライチェーン再編のための貿易および協力ブロックの形成を推進中だが、このために今年2月に核心鉱物長官級会議(56カ国参加)を開催した。会議でJ・D・バンス米副大統領は「この1年間、米国経済が核心鉱物にいかに大きく依存しているかを痛感することになった」とし、「核心鉱物貿易ブロック」構想を明らかにした。この構想には、過剰生産と低価格攻勢によって新規鉱山開発プロジェクトが挫折する悪循環を防ぐため、一定水準の価格下限(price floor)を設定する案が含まれた。
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