ソウルのハナ銀行偽変造対応センターで銀行関係者がドルを整理している。[写真 ニュース1]
為替相場は世界的資本移動、貿易相手国の経済と通貨政策、リスク選好度の変化の中で比較評価される。したがって為替相場の方向性を判断するためには為替相場を決める基本要件を点検する必要がある。
為替相場を説明する核心要素は5種類に要約される。ドル指数、円ドル相場、元ドル相場、韓米の金利差、経常収支だ。この変数はそれぞれ独立的に作用するのではなく、互いに影響を及ぼしながら為替相場の方向と速度を決める。
これら変数を利用して回帰分析をしてみれば、先月末基準でウォンの価値は13.4%低評価されたと推定される。これは現在ウォンが過度に低い水準であることを示唆する。しかし低評価状態がすぐに解消されるものではない。時期によって為替相場は低評価状態でさらに長くとどまりかねない変数であるためだ。
重要なのは今後の為替相場変動の動力が何かだ。2009年1月~2025年10月のデータを対象に同じ変数を活用しベクトル自己回帰モデルを構成して分散分解してみると、1~12カ月以降のウォン相場変動の寄与率はドル指数が58.2%で圧倒的に高い。円ドル相場は2.2%、元ドル相場は2.8%、韓米金利差は1.9%、経常収支は2.8%にすぎない。残りの32.2%はウォン・ドル相場自らの決定要因、すなわち短期需給と市場心理などだ。
この結果は重要な含意を持つ。短期的には外国為替市場の需給や心理が為替相場を左右できるが、中期的な方向は結局ドルの方向性によって決定される点だ。ウォンの低評価がいつ解消されるのかを判断するには、ドル安が構造的に可能な環境なのかから点検しなければならないだろう。
◇米国、AI投資が成長・資産市場牽引
2026年の米国経済見通しを考慮すればドルが下落する確率は高い。2025年の米国経済は「人工知能(AI)投資→資産価格(Asset Prices)上昇→富裕層の消費(Affluent)」とつながるいわゆる「3A成長」構造によって支えられた。成長の出発点は断然AI投資だった。エヌビディアとマイクロソフト、オープンAIを中心にしたAI生態系はグラフィック処理装置(GPU)確保競争と超大型データセンター建設ブームを触発し前例のない規模の設備投資を誘導した。
実際に米国の設備投資の割合は世界金融危機直後である2009年に国内総生産(GDP)比10.5%まで下落したが、今年上半期には15.3%に急騰した。これは2000年のITバブルピーク時の11.5%を大きく上回るだけでなく過去最高だ。
問題は今回の投資サイクルの性格だ。過去の製造業やIT投資拡大は生産性向上と雇用増加、賃金上昇につながる好循環構造を形成した。しかし今回のAI投資の相当部分はサービス商用化前の段階でインフラを先取りするのに集中している。短期間に現金の流れを創出するよりは未来の成長への期待に基づいた先行投資の性格が強い。これは技術革新の側面では肯定的だが、投資成果が遅れる場合には企業の財務構造に負担として作用する可能性を同時に内包している。
AI投資拡大は資産市場に転移した。10月にSP500指数は6920で過去最高を記録した。米国の家計は金融資産の半分以上を株式形態で保有しており、株価上昇は強力な資産効果を作り出した。6月基準で米国の家計金融資産は134兆5000億ドル、不動産資産は53兆2000億ドルでいずれも過去最高を更新した。
資産価格上昇はいわゆる「富の効果」を通じて消費を刺激した。消費の約40%を占める所得上位10%層の消費増加が目立った。消費がGDPの69%を占める米国の経済構造で資産市場の好況は景気の核心バリアの役割をした。
◇FRB利下げ、ドル安続きそう
しかしこの構造は同時に弱点も内包している。最近の消費基盤が賃金上昇や雇用改善よりも資産価格変動に大きく依存しているためだ。資産価格、特に株価が高い評価領域にある。 4-6月期基準で米国の株式時価総額はGDP比327%で過去最高を記録した。マネーサプライ(M2)と比べた時価総額の割合も454%で2000年1-3月期のITバブル当時の443%を上回った。
【コラム】ドル安、円・元高…ウォン相場来年1400ウォン台序初めも可能(2)
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