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<創刊企画「大韓民国トリガー60」(58)>3時間で金魚が死ぬ…歴代最悪の「飲料水源汚染」が与えた教訓(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

環境破壊をめぐる論争が繰り返されたKTX千聖山トンネルの工事現場。工事後、千聖山のサンショウウオ生態に大きな変化はなかった。 [中央フォト]

2010年代に入って環境運動はまた激変を迎えた。局地的レベルの環境保全を越え、気候変動やエネルギーなど全地球的なイシューが浮上したからだ。特に2010年代半ばから粒子状物質による大気汚染問題が日常生活に大きな影響を及ぼした。ビッグデータ専門会社ダウムソフトによると、SNSやブログなどのキーワード検索量を分析したところ、2014年に37万件だった「粒子状物質」が2015年に43万件、2016年に97万件、2017年に200万件を超えた。当時、ダウムソフトの関係者は「普段は『チキン』の検索量が最上位圏だったが、2018年に『粒子状物質』がこれを上回った」と伝えた。これは、2018年3月に中国発スモッグがソウルに影響を与え、1級発がん物質の微小粒子状物質(PM2.5)濃度が観測史上最高値になったのと関係がある。同年、韓国は経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち微小粒子状物質の濃度が最も高い国という不名誉な結果となった。

微小粒子状物質が健康に致命的という専門家らの警告が連日報道された。親たちは「子どもの呼吸する権利を保障するべき」と叫び、政府の対策を求めた。政府と地方自治体、国会は対応に追われた。同年7月、「粒子状物質低減および管理に関する特別法」を制定し、翌年2月から施行に入った。政府は粒子状物質を「社会災難」と規定し、大気汚染との戦争に入った。


◆「サンショウウオ訴訟」で高速鉄道工事を中断


以前には関心が向けられなかった空気の質を毎日チェックする習慣が形成され、マスクの使用が日常になった。粒子状物質の襲撃は、きれいな空気を吸うという平凡なことがどれほど大切な権利であるかを悟らせた。極端な猛暑・豪雨などが頻繁になった気象異変も人々の環境に対する認識を変えた。2018年の夏に40度を超える猛暑を経験した市民は気候変動を現実の脅威と認識し始めた。政府は2020年に「2050炭素中立」を宣言し、本格的な気候危機対応に入った。

環境議題が社会の全体に登場し、開発事業との葛藤も深まった。環境団体の反対にぶつかって国策事業が漂流することも増えた。葛藤を解消する過程で支払う社会的費用もそれだけ高まった。2003年、京釜(キョンブ)高速鉄道の千聖山(チョンソンサン)通過区間(慶尚南道梁山、元暁トンネル)をめぐるジユル僧侶の断食闘争と「サンショウウオ訴訟」が代表的な事例だ。ジユル僧侶や環境団体が「千聖山の湿地とサンショウウオの生息地が破壊される」と主張し、工事は189日間中断した。大法院(最高裁)は2006年、「環境破壊の具体的被害を立証できない個人が国家開発まで防ぐのは憲法が保障する環境権を越える」とし、サンショウウオ訴訟を棄却した。その後、何度かサンショウウオの卵の分布図などを調査した結果、トンネル区間地域の生態に大きな変化がないことが確認された。活動の半径を広げて着実に成長していた環境団体はこの事件の影響でしばらく沈滞したりした。

最近は気候危機対応のためのエネルギー転換過程で新たな形態の葛藤が生じている。陸上太陽光と風力発電の拡大をめぐり多様な環境価値が衝突しているからだ。このため住民と地域社会はもちろん環境団体との葛藤も深まっている。今はもう環境と開発を対立させる両極端な接近では持続可能な解決策を見いだすのが難しくなった。環境運動も反対のための反対を越えて科学的な客観性に基づいた専門性の強化が重要だ。これ以上、環境のメッセージが「害悪」や「保護」の単純なフレームにはめられてはいけない。環境の価値は生かすものの、現実的な代案をまとめる柔軟で新しい接近が必要な時だ。


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