韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と米国のドナルド・トランプ大統領が25日(現地時間)、ワシントンD.C.のホワイトハウス・オーバルオフィスで韓米首脳会談を終え、明るい表情で記念撮影をしている。キム・ヒョンドン記者
李大統領はこの日、首脳会談の冒頭発言で「私の関与によって南北関係が改善されるのは容易ではない状態だが、実際にこの問題を解決できる唯一の人物はトランプ大統領だ」と述べ、「(トランプ)大統領がピースメーカーになってくださるなら、私は“ペースメーカー(競走で基準速度を作る選手)”として一生懸命支援する」と話した。するとトランプ大統領は「我々は北朝鮮と大きな進展を成し遂げられるだろう」と応じた。
魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長はブリーフィングで、「(北朝鮮の)核とミサイル能力を何としても止めるべきでないかというのが大統領の認識」とし「誰かが端緒を開かなくてはならないが、現在の局面を冷静に見ると南北よりは米国側に可能性があるため、その部分を相談した」と説明した。
具体的な米朝対話のきっかけとしては、10月の慶州(キョンジュ)アジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議が有力だ。李大統領は非公開会談でトランプ大統領を慶州APECに招待して「可能であれば金委員長と会おう」と誘った。
◇李大統領「韓国、過去のように『安米経中』という立場は取れない状況」
トランプ大統領もAPECへの出席意向などについての取材陣の質問に「行けると思う」とし「金委員長と再び会う機会があるなら非常に良いことだ」と答えた。ただし魏室長は、APECを契機に米朝会談が開かれる可能性について「今は提案段階」として慎重な姿勢を示した。
李大統領は米国の要求事項である国防費増額も公言した。トランプ大統領との非公開会談で「国防費増額など、我々が韓半島(朝鮮半島)の安保を守る上でより多く主体的な役割を果たす」と述べたのに続き、この日午後のシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」での演説でも「国防費を増額する」と明らかにした。李大統領は会談後、フェイスブックに「今回の会談は韓米同盟の現代化や北核問題解決など韓半島平和プロセスにおいて大きな進展を準備する意義深い機会であった」と書いた。
李大統領はCSIS演説で「韓国は韓半島の安保を守る上でさらに主体的役割を果たしていく」としつつも、「米国の防衛公約と韓米連合防衛態勢は鉄桶のごとく維持される」と述べた。続けて「韓米同盟は韓半島を越えグローバル次元へとアップグレードされ、2万8500人余りの在韓米軍もより安全になる」とした。一部での在韓米軍削減論に対し、駐留規模が維持されることを示唆したものだ。
李大統領はこの日CSIS演説直後、中国関連の質問に対し「米国が中国に対する強力な“牽制(けんせい)”、言葉を選ばず言うなら“封鎖政策”を本格的に始める前まで、韓国は『安保は米国、経済は中国』(安米経中)という立場を取ってきたのは事実」とし「過去と同じようにこのような態度を取れる状況ではなくなった」と述べた。そして「今や韓国も米国の基本的政策から外れて行動したり判断したりすることはできない状態だ」とし、「(中国の場合)地理的に非常に近いところで生じる不可避の関係をうまく管理する水準で維持している状況だ」と明らかにした。
この日の会談直後、トランプ大統領は米国メディアに「李大統領は非常に良い人物であり、非常に良い韓国の代表だ」と評価した。
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