8日(現地時間)、米ホワイトハウスでドナルド・トランプ大統領(中央)は、握手するアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領(左)とアルメニアのニコル・パシニャン首相の手を両側から包み込んだ。この日、両国首脳はトランプ大統領の仲介によって軍事衝突を停止する内容などを盛り込んだ和平協定に署名した。[写真 EPA=聯合ニュース]
アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領とアルメニアのニコル・パシニャン首相は、この日ホワイトハウスで軍事的衝突を停止する内容を盛り込んだ和平協定に署名した。トランプ氏は両首脳の間に立ち、「長年にわたり彼らは戦ってきたが、今や友となり、これからも長く友であり続けるだろう」と述べた。
東欧と西アジアの境界に位置する南コーカサス地域にあるアゼルバイジャンとアルメニアは、1991年のソ連崩壊後に独立して以来、領土紛争を繰り返してきた。争点の中心はナゴルノ・カラバフ地域だ。この地域はアゼルバイジャン領だが、住民の多くはアルメニア系であり、アルメニアの支援を受けた分離主義勢力が長年にわたり支配してきた。
両国は2020年と2023年に大規模な戦争を2度行い、この過程で分離主義勢力はアゼルバイジャン軍によって追放された。2023年の戦争時には、約12万人に上るアルメニア系住民のうち10万人以上がアルメニアへ避難した。両国は和平合意に向けた協議を進め、今年3月には草案までまとめていたものの、5か月以上停滞していた。このような状態を、今回、米国が署名へと導いた形だ。
協定には、米国が両国を結ぶ回廊を独占的に開発するという内容も含まれている。アゼルバイジャンに属するナヒチェバン自治共和国は、地理的にアゼルバイジャン本土から離れており、アルメニアを経由しない限りイランを大きく迂回する必要があった。米国はこの間を結ぶ回廊、いわゆる「国際平和と繁栄のためのトランプ・ルート」を建設することを決定した。
この回廊の管理も米国が担う。米政治メディア「ポリティコ(Politico)」によれば、アルメニアは回廊の開発に関する排他的権利を米国に99年間付与することにしたという。これにより米国は回廊建設コンソーシアムを通じて、総延長43.5キロの回廊に鉄道、石油・ガスパイプライン、光ファイバー、電力線などを敷設する計画だ。ホワイトハウスは、この回廊がエネルギーやその他資源の輸出を促進すると説明した。
欧州連合(EU)など国際社会はこの合意を歓迎したが、ロシア外務省は「域外国の介入によって新たな分裂が生じてはならない」と牽制(けんせい)した。2020年の戦争までは、旧ソ連圏の盟主を自任するロシアが両国の紛争を制御してきたが、2022年2月のウクライナ戦争以降は仲裁する余力を失っていた。プーチン氏の空白をトランプ氏が埋めた格好だ。
ロイター通信は「(ロシアと国境を接する)アゼルバイジャンと米国との防衛協力の強化は、ロシアを不安にさせる可能性がある」とし「これまでカフカス地域は対ロ制裁の死角だったが、西側がアルメニア・アゼルバイジャンと協力すれば、ロシアの制裁回避ルートを封じることができるだろう」と分析した。
アゼルバイジャンとアルメニアの両国と国境を接するイランも、協定自体は歓迎しつつ、自国の国境付近を通る回廊建設は許可しないと表明した。イランは、南コーカサス地域に米軍などが駐留する可能性を懸念し、回廊建設に反対してきた。
一方、アゼルバイジャンとアルメニアの両首脳は、トランプ氏が紛争終結に貢献したとして、ノーベル平和賞候補に推薦すると明らかにした。7日にはカンボジアのフン・マネット首相が、カンボジアとタイの間の紛争停止に貢献したとして、トランプ氏をノーベル平和賞候補に推薦している。トランプ氏は、この2件の仲裁に加え、ルワンダ・コンゴ民主共和国、インド・パキスタンの事例などを挙げ、自らを「世界の平和仲裁者」として印象付けようとする取り組みを進めている。
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