15日に撮影された、清津(チョンジン)造船所で建造を終えて進水準備中の駆逐艦の衛星写真 [写真 統一部提供]
米シンクタンク海軍分析センター(CNA)のデッカー・エベレス研究員は26日、自身のX(旧ツイッター)で咸鏡北道(ハムギョンブクド)清津造船所一帯を撮影した衛星写真を公開した。この写真によると、倒れた駆逐艦には楕円形の小さな物体が多数付着している。
エベレス研究員は「2009年公開のピクサー映画『カールじいさんの空飛ぶ家』で風船を付けて家を空中に浮かせる場面のように駆逐艦を引き揚げようとしているのかもしれない」とコメントした。
衛星写真の中の防水シート(偽装シート)と海上に影がある点からみてこの物体は風船のように宙に浮いていると推定される。軍当局も北朝鮮が風船と似た物体を倒れた駆逐艦に取り付けた動向を確認したと明らかにした。軍関係者は「北朝鮮がシート上空と海上に風船型の未詳物体を設置した」とし「詳細については分析中」と話した。
エベレス研究員は風船による引き揚げの可能性を提起したが、専門家らはそれよりも駆逐艦の追加沈没を防いだりバランスを取るための窮余の策と分析した。元潜水艦長のチェ・イル潜水艦研究所長は「ひとまず船が沈むのをふせぐための措置を取ったとみられる」と話した。
軍関係者も「風船を活用するリフトバック方式は小型漁船を浮揚したり引き揚げたりする時に使う方式」とし「水上の浮揚でなく空中の風船は浮力(引揚力)自体が小さいはず」と説明した。船体に取り付けた風船だけでは倒れた大型駆逐艦を立て起こすのは不可能ということだ。
これに先立ち北朝鮮は「浸水部分の水を除き、艦首の部分を離脱させて艦のバランスを回復させるのに2、3日、舷側の復旧に10日余りの時間がかかる」と明らかにした。政府内外では陸上に出ている艦首部分を海に移した後、水上で駆逐艦の均衡を回復する作業を進めるという見方が多い。
労働新聞は21日、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が見守る中、清津造船所で新しく建造した5000トン級駆逐艦の進水式を開いたが、「厳重な事故」が発生したと明らかにした。金正恩委員長の指示に基づき法機関は責任者に対する拘束・調査手続きに入り、造船所の実務幹部とイ・ヒョンソン党軍需工業部副部長が次々と拘束された。
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