ロシアのプーチン大統領
タス通信によると、プーチン大統領はこの日、ロシア・ムルマンスクで開かれたフォーラム「北極-対話の領土」で「(グリーンランド編入を)米国新政府の誇張された修辞にすぎないと考えてはいけない」とし「米国は以前もグリーンランド編入を計画していた」と主張した。あわせて「グリーンランドに関する米国の真面目な計画は長い間の歴史的ルーツがある」と付け加えた。
米国は1867年ウィリアム・スワード国務長官時期にグリーンランド編入を構想したことがある。当時はアラスカをロシア帝国から購入した直後ということで米国にはそれほど余力がなく、特別な進展なく自然に立ち消えとなった。
プーチン大統領はまた「北極の役割と重要性がロシアやその他の世界でますます大きくなっていることは明らかだ」とし「この地域で足掛かりを確保するための地政学的競争と闘争も激化している」とした。
グリーンランドは北極海と大西洋をつなぐ地点に位置している。ロシアと中国の北極進出を牽制(けんせい)するための要衝地に該当する。米国は1951年からグリーンランドにチューレ空軍基地を置いて運用を続けていたが、2023年ピツフィク宇宙軍基地に拡大改編した。
◇J・D・バンス副大統領、28日にグリーンランド米軍基地訪問
バンス米副大統領夫妻も28日、「安保状況を確認したい」としてピツフィク基地を訪問する予定だ。ただしバンス夫妻はグリーンランド第2の都市シシミウトで開かれる犬ソリ大会の観覧日程を取り消すなど計画を当初より一部縮小した。シシミウト住民の大規模抗議集会が予告されて、「グリーンランドが望まない訪問」(デンマークのメッテ・フレデリクセン首相)、「J・D・バンスを招待した覚えはない」(グリーンランドのムテ・エーエデ首相)など反発が強まったためだ。
バンス副大統領の日程短縮を巡り、デンマーク政府は「米国がグリーンランド市民社会訪問を取り消したのは非常に肯定的」(デンマークのラース・ロッケ・ラスムセン外相)と述べたが、相変らず警戒心を緩めることができずにいる。
グリーンランドの政界はバンス副大統領が訪問する28日、強硬独立派を排除して連立政府を構成する内容の協定に署名する予定だ。連立政府には総選挙で勝利した中道右派志向の民主党、エーエデ現首相率いるイヌイット友愛党、中道左派であるシウムット党、親デンマーク志向の連帯党が参加する予定だ。第2党でありグリーンランド独立派のナレラク党だけが野党に残る。第1党の民主党はデンマークと建設的協力を進めながらグリーンランドの独立は時間を置いて推進しようという立場だ。
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