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習近平主席、「一帯一路脱退」のイタリアに「柔軟ジェスチャー」…「EV協力拡大」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

習近平主席

中国の習近平国家主席が29日、北京でイタリアのメローニ首相と会談し、中国と欧州連合(EU)の協力に対するイタリアの建設的な役割を要請しながら、電気自動車(EV)での協力やイタリア製品の輸入拡大など融和的なジェスチャーを見せた。

習主席は会談で「中国と欧州の対話と協力を追求し、積極的かつ安定した発展を促進するうえで、イタリアが建設的な役割を発揮することを希望する」と強調したと、国営新華社通信が報じた。メローニ首相も「イタリアは中国とEUの関係で重要な役割をすることができる」と答えたと、イタリア首相室は伝えた。

イタリアは2019年、主要7カ国(G7)のうち唯一、中国の世界戦略「一帯一路(21世紀陸・海上新シルクロード)」構想に加入したが、昨年12月に経済的な利益が期待に及ばないという理由で電撃的に脱退した。メローニ首相と習主席の会談は2022年11月(インドネシア・バリ)以来で、一帯一路脱退から半年ぶりだ。


北京釣魚台国賓館で開かれた会談で、両国首脳は一帯一路には触れず、マルコ・ポーロとシルクロード精神に言及した。習主席は「中国とイタリアはシルクロード精神を堅持して発展させるべき」と指摘した。メローニ首相は「今年はマルコ・ポーロ逝去700周年」とし「歴史が悠久なシルクロード精神を継承し、中国とより一層緊密かつ高い水準のパートナー関係の発展を望む」と述べた。

会談で両首脳は電気自動車と人工知能での協力について議論した。習主席は「電気自動車、人工知能など新興領域の協力を模索したい」とし「両国の産業上の強みは相互補完的」と話した。また「貿易投資、工業製造、科学技術革新、第3国市場など伝統的な協力をアップグレードしたい」と強調した。メローニ首相も「両国の経済・貿易・投資、電気自動車、人工知能などの領域で協力を深めたい」とし「より多くのイタリア製品が中国市場に入るよう取り組みを願う」と貿易拡大意思を表明した。

この日、両首脳は「全面的な戦略パートナー関係強化の行動計画(2024-27)」に署名した。貿易投資、金融、技術革新など7つの分野の3カ年計画で、両国は航空・宇宙、新エネルギー、電子商取引など戦略的産業の協力を強調した。

◆イタリア、中国EVの欧州橋頭堡

これに先立ちEUは中国産電気自動車に最大38%の追加関税を導入した。中国政府の補助金を受けた安い電気自動車が市場競争を害するというのが賦課の理由だ。中国政府は自国メーカーの欧州進出で現地の雇用を創出し、低価格販売への批判を避けるという戦略だ。

メローニ首相の訪中に先立ち、イタリア経済相は今月初めに北京を訪問して吉利、東風自動車の経営陣と会い、イタリアへの投資を打診した。欧州市場を逃せない中国の電気自動車企業はイタリアを橋頭堡とする戦略を推進している。2023年に欧州で販売された電気自動車のうち約20%の30万台が中国から輸入された。中国乗用車業界によると、欧州は全体輸出の約40%を占める。昨年、中国の欧州投資の70%を電気自動車分野が占めた。

また習主席は「イタリアが主催する2026年冬季オリンピック(五輪)を支持する。中国国民のためのビザ便宜措置を希望する」と要請し、中国が年初に施行した一方的なビザ免除措置に対する呼応を促した。イタリア首相室は会談後、「両首脳はウクライナ戦争から中東状況の追加悪化リスクまでグローバル議題を議論し、インド太平洋地域の緊張について意見を交わした」と会談結果を伝えた。中国は「イタリアは『一つの中国』政策履行を堅持するはず」と紹介した。

一方、バイデン米大統領の大統領候補撤退後、ウクライナのクレバ外相に続いてメローニ首相が中国を訪問すると、民主主義と権威主義という理念外交が衰退して現実主義外交が浮上していると、台湾聯合報が28日指摘した。



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