イランがシリアにある自国の領事館爆撃事件に対する報復を予告した中で、イラン革命防衛隊幹部が「ホルムズ海峡を封鎖することもできる」と警告した。イランのＩＳＮＡ通信が９日に伝えたところによると、革命防衛隊海軍司令官は「われわれはホルムズ海峡を封鎖できるのにしていないが、敵がわれわれを妨害するならばこれを再検討できる」と話した。また「われわれは攻撃されれば必ず報復する」と改めて強調した。

ホルムズ海峡はペルシャ湾の入口でサウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦、イラクなど中東の主要産油国が原油を輸出する海上貿易路だ。世界の原油海上輸送量の２０％がこの海峡を通過する。イランがホルムズ海峡封鎖を敢行する場合、原油価格急騰と供給網打撃など世界経済に影響を及ぼす。

一方、ニューヨーク・タイムズはこの日、米国、イラン、イスラエルの高位当局者の話として「イランは約２年前からシリア、レバノン、イスラエルなどを通るルートを利用して武器をヨルダン川西岸に送った。イランがイスラエルとの『影の戦争』でヨルダン川西岸を火薬庫にしようとしているとの懸念が出ている」と伝えた。その上で、イランの武器持ち込みの目的はできるだけ多くの武器をヨルダン川西岸に送ることによりイスラエルの不安を助長することだとした。ヨルダン川西岸にはパレスチナ人約３００万人が居住している。


イランはこれまでハマスにも武器と莫大な軍事資金を提供してきた。同紙によると、これら高位当局者は「イランがヨルダン川西岸に多くの武器を送る時に犯罪ギャング団、原理主義反乱軍、軍人、情報要員とアラブ系遊牧民のベドウィンを動員した」と伝えた。また、持ち込まれた武器の種類は拳銃や小銃などが大部分だが、対戦車ミサイルなどもあるとメディアは付け加えた。

バイデン米大統領はイスラエルに対し、先にハマスに休戦を提案するよう促した。バイデン大統領はメディアインタビューでネタニヤフ首相のガザ地区戦争の対処方式に対し「失敗だと考える」と批判した。その上で「イスラエルが休戦を要求し今後６～８週間にイスラエルに入ってくるすべての食糧と医薬品に対するガザ地区への供給を許容するよう促す」とした。

これまでバイデン大統領は今回の事態の責任がハマスにあるとしてきた。しかし１日にガザ地区でイスラエル軍の誤爆により米国人を含む国際救護団体職員７人が死亡する事件が起きてからはイスラエルが先に休戦を求めるべきという側に立場を急旋回した