サム・アルトマンCEO
フィナンシャル・タイムズが15日に伝えたところによると、アラブ首長国連邦(UAE)の国営投資会社MGXがオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)の「AI半導体プロジェクト」への投資契約を協議している。同メディアは先週シンガポール政府系ファンドがアルトマンCEOとこの投資の件で会っていると報道した。
アルトマン氏はAI用半導体をオーダーメードで設計・製造して市場支配者であるエヌビディアの影響圏から抜け出す考えだ。このために調達しようとする資金は最大7兆ドル(1043億円)とされ話題を集めた。半導体業界では「アルトマンプロジェクトがオイルマネーでAI時代に利益を早く得ようとする中東の大口投資家らと意気投合する姿」とみる。
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOも英国、シンガポール、日本政府などと自社チップ基盤AIインフラ構築を協議している。半導体市場が国間戦争になったように、AI半導体・インフラも国中心の投資に流れる姿だ。
◇UAEとシンガポールの政府系ファンド、AIチップ投資を協議
オープンAIとAI半導体プロジェクト投資を協議中とされるMGXは、UAEが11日に設立したAI専門技術投資会社だ。設立1週間の投資会社がアルトマン氏の半導体プロジェクト投資のテーブルに就いた形だが、MGX設立のパートナーはアブダビ政府系ファンドのムバダラと国営AI企業のG42だ。MGX理事会議長はアブダビ首長の弟のタフヌーン・ビン・ザーイド副首長だ。
UAEは次世代動力をAIに求めるという意志が明確だ。2017年に主要国で最初に政府所属AI官庁を作り、1月には「人工知能と先端技術委員会」(AIATC)も設立した。MGXは設立発表で集中的に投資する3つの分野として、データセンターなどのAIインフラ、半導体、AIモデルとソフトウエアやロボット工学などのAI技術を挙げた。
UAEはAIブーム前から半導体に投資してきたが、ムバダラは米国の半導体企業グローバルファウンドリーズの株式80%以上を保有する支配株主であり、エヌビディアの競合であるAMDの主要株主だ。
ソフトバンクの孫正義会長もAI半導体でエヌビディアの対抗馬を育てるために中東の資金を引き込んで最大1000億ドル規模のファンド組成を推進しているという。アルトマンプロジェクトのまた別の大口投資家候補であるシンガポール政府系ファンドのテマセクは2870億ドル規模の資金を運用しながら韓国のAI半導体スタートアップであるリベリオンに投資した。
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