「球場が本当に大きい」。雨が降った３日、福岡ＰａｙＰａｙドームに入った斗山（ドゥサン）ベアーズの選手らはみんな驚いた。



斗山はこの日、日本プロ野球の名門球団ソフトバンク・ホークスとスプリングキャンプスペシャルマッチを行った。一般的な練習試合は各チームが練習場所として使用する簡易球場で行うが、この試合は違った。ソフトバンクがシーズン中にホーム球場として使用するメイン球場で２万７２２７人の有料観客が見る中で行われた。


この試合はソフトバンクの提案で行われた。キム・テリョン斗山団長は野球界でよく知られる「日本通」だ。キム団長は「３０年前から関係を築いてきた関係者がソフトバンクで選手団日程の責任を負う席に昇進した」とし「その方から両チーム間の試合の提案を受け、我々も快く応じた」と伝えた。

ソフトバンクは２次キャンプ地の宮崎から福岡に移動した斗山のために航空券と宿泊費のほか、選手団の移動に必要なバスなどをすべて支援した。斗山の関係者は「私たちの費用支出は選手団の食費だけ」と話した。

李承燁（イ・スンヨプ）斗山監督と小久保裕紀ソフトバンク監督の関係も特別だ。李監督が読売ジャイアンツに入団した２００６年、小久保監督は読売以外の球団出身選手では初めて主将を務め、共にチームメートとして過ごした。李監督と小久保監督はこの日の試合前、抱き合ってあいさつを交わした。

斗山はこの日、エースの郭彬（クァク・ビン）を先発投手に起用し、梁義智（ヤン・ウィジ）、ヤン・ソクファン、チョン・スビン、ヘンリー・ラモスなどベストラインナップを組んだ。李承燁監督は「最初は若い選手を中心に出して経験を積ませるつもりだった」と話した。しかしこの試合に有料観客が入り、ソフトバンクも１軍ベストメンバーを出すと聞いて先発メンバーを変えた。

また斗山はソフトバンクとの対戦が選手に良い経験になると考えた。李監督は「日本の野球は我々が細かな部分で学ぶべき点が多い」とし「ソフトバンクは日本プロ野球で打撃が最も良いチームだ。どの打者と対戦しても投手には良い経験になるはず」と期待した。

実際、斗山はこの試合で「スーパールーキー」キム・テクヨン（１８）の潜在力を確認した。キム・テクヨンは斗山が今年の新人ドラフト１ラウンド全体２位に選んだ特級有望株だ。１位指名を受けたファン・ジュンソ（ハンファ・イーグルス）と共にすでに今年の新人王を争う候補に挙げられている。強力なストレートが武器のキム・テクヨンはこの日、最高球速１５２キロをマークし、１イニング１／３を被安打と四球なく無失点に抑えた。特に１－３とリードされた４回裏二死一、二塁から救援登板し、２０２２年本塁打王の４番打者・山川穂高を捕手ファウルフライに打ち取った。

斗山の捕手・梁義智は「キム・テクヨンは高校を卒業したばかりの選手とは思えない。自分のボールを呉昇桓（オ・スンファン）先輩（サムスン・ライオンズ）のように自信を持って投げてくる」とし「最近見た新人の中で最高の投手ではないかと思う。今後チャンスがあれば大きな舞台（メジャーリーグ）まで行けそうだ」と絶賛した。

梁義智もこの日、スプリングキャンプ最初の実戦テストで自身の真価を見せた。０－２とリードされた４表一死から、ソフトバンク２番手・杉山一樹の１５０キロの内角ストレートを左翼スタンドに運んだ。斗山はこの日、２－５で敗れたが、梁義智の健在を確認した。梁義智は「多くのファンが入ったので試合に集中した」とし「最初の試合なので打撃より守備の動きを重視した。開幕の日程に合わせて体を作っていきたい」と話した。