サムスン電子が２６日にスペインのバルセロナで開幕する世界最大の移動通信見本市のモバイル・ワールド・コングレス（ＭＷＣ）２０２４で「ギャラクシーリング」の実物を初めて公開する。ＳＫテレコムとＫＴも通信会社ならではの特化した人工知能（ＡＩ）技術を公開する。

サムスン電子とＳＫテレコム、ＫＴは２５日、ＭＷＣ２０２４の展示計画を公開した。今回のＭＷＣには２００カ国から２４００社が参加し、９万５０００人の観覧客が訪れる見通しだ。韓国のＩＣＴ企業も大挙参加する。サムスン電子からは慶桂顕（キョン・ゲヒョン）デバイスソリューション（ＤＳ）部門社長と盧泰文（ノ・テムン）モバイル経験（ＭＸ）部門社長が参加する。通信業界ではＳＫテレコムの柳英相（ユ・ヨンサン）代表とＫＴの金永燮（キム・ヨンソプ）代表、ＬＧユープラスの黄鉉植（ファン・ヒョンシク）代表も参加する。ＳＫグループの崔泰源（チェ・テウォン）会長も現場を訪問する予定だ。

サムスン電子のスマートリング「ギャラクシーリング」は１月のアンパックイベントでティーザー映像が公開された際に２１００人の観客が歓声をあげたその製品だ。年内発売予定のギャラクシーリングは睡眠中も気楽に着用できる。リングの内側で細かい健康データ測定も可能だ。今回の見本市でブラック、ゴールド、シルバーの３種類のカラーが展示される。ただ公式発売まで直接体験することはできない。ＡＩスマートフォン時代を開いたサムスン電子は展示場入口に大型の「ギャラクシーＡＩ」モニュメントを設置した。展示期間中にオンデバイスＡＩの核心機能であるリアルタイム通訳、サークル・トゥ・サーチ（画面に円を描いて検索）なども経験できるようにした。


ＳＫテレコムはグローバルテルコＡＩアライアンス（ＧＴＡＡ）との協力を具体化する。世界の主要通信キャリアのドイツテレコム、シングテル、ｅ＆などと共同で通信事業（テルコ）に特化した大規模言語モデル（ＬＬＭ）開発に乗り出す。ビッグテック企業に奪われた人工知能（ＡＩ）の主導権を世界的連合戦略で取り戻すという計画だ。韓国唯一のＧＳＭＡ理事会メンバーであるＫＴの金永燮代表は世界の通信キャリアのトップとＩＣＴ懸案を話し合う。展示館では次世代ネットワークとＡＩ技術が変える未来の姿も公開する。アーバン・エア・モビリティ（ＵＡＭ）体験空間を設け、これに必須となる航空通信網構築技術を紹介する。米モビリティスタートアップのアレフ・エアロノーティクスはフライングカー技術を公開する。展示場には実際のモデルの半分の大きさの作動モデルが展示される。

ＭＷＣは移動通信見本市だが主人公はＡＩと半導体チップだった。サムスン電子半導体（ＤＳ）部門とＳＫハイニックスが別途のブースを用意するなど半導体行事を思わせた。

「ＡＩの皇帝」エヌビディアは通信用半導体市場に照準を合わせた。ＭＷＣ開幕を控えエヌビディアとソフトバンクが主導して設立を推進しているＡＩ－ＲＡＮ（無線接続網）アライアンスにエリクソンとノキアなど有力企業が相次いで参加を宣言した。世界に広がる携帯電話基地局を活用しＡＩ情報処理を分散する技術の標準を作ることが目標だ。

サムスン電子は米半導体企業のＡＭＤ、欧州最大通信会社ボーダフォンと手を組んだ。最近３社は業界初のオープンＬＡＮ（開放型無線接続網）技術を活用した通話試験に成功した。オープンＬＡＮはそれぞれ違う会社が作った通信装備を連動できる標準化技術だ。これまでは通信キャリアごとに通信装備メーカーに要求する技術が異なり装備間の互換が難しかった。