韓国サッカー代表チーム
クリンスマン監督率いる韓国は７日、カタール・アルラヤンのアハマド・ビン・アリスタジアムで行われたヨルダンとの大会準決勝で、不振の末に０－２で完敗し「異変のスケープゴート」になった。国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）ランキング２３位の韓国は６４段階も低い８７位のヨルダンを相手に後半だけで２ゴールを入れられ力なく崩れた。
孫興慜（ソン・フンミン、トッテナム）、李康仁（イ・ガンイン、パリ・サンジェルマン）、金玟哉（キム・ミンジェ、バイエルン・ミュンヘン）が支える韓国は今大会を控え過去最強の戦力という評価を受けた。だが優勝候補の韓国はこの日ヨルダンを相手に有効シュート０本という惨憺たる成績を残した。これに対しヨルダンは異変のチームだ。グループリーグ３位で決勝トーナメントに進出した後、同国のサッカー史上初めて準決勝まで進出する底力を見せた。
これにより韓国の９年ぶりの大会決勝進出も挫折した。韓国がヨルダンに敗れたのは今回が初めてだ。この日まで韓国は歴代戦績で３勝３分けと圧倒的優位を守っていた。この日の試合は韓国とヨルダンの「リターンマッチ」だった。両チームは今大会のグループリーグＥ組第２戦で対戦した。この時は２－２で引き分けた。韓国は勝ち点５でグループ２位、ヨルダンは勝ち点４で３位となり決勝トーナメントに進出した。
クリンスマン監督はヨルダンを相手に最精鋭を投じた。この日は最前方ストライカーに曺圭成（チョ・ギュソン、ミッティラン）の代わりに孫興慜を投じる戦術を使った。サウジアラビアとの準々決勝で使った戦術だ。２ラインの攻撃には黄喜燦（ファン・ヒチャン、ウルバーハンプトン）、李康仁、李在成（イ・ジェソン、マインツ）が配置された。ミッドフィールドは黄仁範（ファン・インボム、レッドスター・ベオグラード）と朴鎔宇（パク・ヨンウ、アル・アイン）が責任を負い、金玟哉が警告累積で抜けたフォーバック守備は薛永佑（ソル・ヨンウ、蔚山）、鄭昇炫（チョン・スンヒョン、蔚山）、金英権（キム・ヨングォン、蔚山）、金太煥（キム・テファン、全北）が出場した。昨シーズン蔚山のＫリーグ連覇を導いた守備ラインだ。ゴールキーパーは趙賢祐（チョ・ヒョンウ、蔚山）が務めた。
金玟哉の空白は思ったより大きかった。試合序盤から波状攻勢を繰り広げるヨルダンの攻撃陣を相手に韓国守備陣は大きく揺れた。今大会で金玟哉を中心に後方ビルドアップを広げた韓国はこの日はパスミスを連発し一貫して不安な姿を見せた。ミスは相手のシュートチャンスにつながるケースが多かった。
そのたびに趙賢祐が神がかったファインプレーを見せ失点の危機を脱した。彼は前半１７分と２５分に続いたヨルダンのシュートにスーパーセーブを見せた。趙賢祐は前半４２分に相手がゴール前から放った強力なシュートを顔面で防ぐなど前半戦に断然際立って見えた。韓国は前半３２分に黄仁範が上げたクロスを李在成がヘディングでつなげたが、左側ゴールポストに当たった。韓国の唯一の得点チャンスだった。韓国は前半にボール支配率６０％でヨルダンの４０％をリードしたが、シュート数は韓国が４に対しヨルダンが１２、有効シュート数は韓国が０に対しヨルダンが４など主要攻撃指標でヨルダンに押された。
後半も試合の流れは変わらなかった。韓国選手は疲労から時間が過ぎるほど足が重くなった。韓国はサウジとの決勝トーナメント１回戦とオーストラリアとの準々決勝なの２試合連続で１２０分間の死闘を戦い抜いた。結局失点した。今回もパスミスが口実になった。朴鎔宇がハーフライン付近でバックパスを出したが、ヨルダンがこれを横取りした。ヨルダンのエース、ムサ・アル・ターマリが素早く韓国エンドでドリブル突破した後、ヤザン・アル・ナイマトにパスを渡した。
ナイマトは趙賢祐と１対１のチャンスで落ち着いてゴールネットを揺さぶった。韓国は今大会トーナメントで３試合連続先制ゴールを許すなど集中力不足を見せた。クリンスマン監督は急いで朴鎔宇に代わり曺圭成を投じたが、一度傾いた戦況を覆すことはできなかった。むしろ後半２１分にスピーディで簡潔な攻撃を広げたアル・ターマリに追加ゴールを許した。韓国は攻撃手梁鉉俊（ヤン・ヒョンジュン、セルティック）と鄭優営（チョン・ウヨン、シュツットガルト）を投じて最後の反撃に出たが、ついにヨルダンのゴールを割ることはできなかった。
この記事を読んで…