最近半導体、ディスプレー、二次電池の「３大超格差技術」が中国に持ち出され莫大な被害が発生しているが、犯罪収益の還収は困難な状況だ。技術流出犯罪は容疑の立証が難しく、処罰もやはり軽いものにとどまる上、犯罪収益追徴さえまともにできず構造的に産業スパイを根絶しにくいという指摘が出ている。

◇１０００億ウォン儲けて罰金２０億ウォン…「追徴」しなかった

サムスン電子子会社セメスの半導体洗浄装備技術流出事件が代表的だ。水原（スウォン）地検は２０２２年５月と昨年１月、セメスが世界で初めて開発した「超臨界半導体洗浄装備」の核心図面と、別途に「湿式洗浄装備」の技術をブローカーを通じて中国に流出した容疑で元研究員らを起訴し、元研究員と元研究員が立ち上げたＳ社に対し犯罪収益還収に向け５８４億ウォンを追徴・保全した。追徴保全は今後の追徴に向け確定判決前の財産処分を禁止し凍結する措置だ。


だが２件に分けて行われた裁判で、１審は元研究員とＳ社の容疑を認めて懲役９年と罰金１０億ウォンを宣告しながらも、犯罪収益還収に向けた別途の没収・追徴宣告はしなかった。９日の控訴審もやはり懲役１０年、罰金２０億ウォンに引き上げながらも追徴金は宣告しなかった。

検察ではこうした宣告直後「懲役１０年を終え出てきてもＳ社が装備輸出で稼いだ１０００億ウォンはそのまま残る」という懸念が出てきた。水原地検は元研究員の実兄がＳ社を受け継いで６０億ウォン台の追加収益まで得た点を摘発し、２９日に実兄ら９人を追加で起訴した。技術流出捜査経験が豊富な部長検事は「技術流出は具体的な被害額算定が難しく、追徴も乱脈の様相。区間別没収規定などが盛り込まれた特別法新設が必要なようだ」と診断した。

検察は製品・装備全体の観点で流出した部品・技術が占める割合が一部のため犯罪による損害額を具体的に立証するのは事実上不可能に近いと説明する。捜査過程で中国など海外での強制捜査が不可能な点も根本的限界に挙げられる。

先月大検察庁（最高検）の報告書「技術流出被害金額算定などに関する研究」を執筆したＫＡＩＳＴノチョン・ウジョン教授は「公開された技術である『特許』とは違い、『営業秘密』は企業が裁判所でも公開を避ける特性上、被害額算定がさらに難しい。ここに海外法人を相手に民事上・刑事上の救済を受けることは外交上の問題から立証の困難さまで現実的な限界が大きい」と分析した。

◇サムスン・ＳＫ経た「半導体の伝説」が中国でコピー工場

これまで中国は「産業スパイ」を活用して半導体やバッテリーなど先端技術分野で恐ろしいスピードで韓国を猛追している。大統領所属の国家知識財産委員会が先月明らかにしたところによると、この５年間の海外技術流出は９２件で、半導体２４件、ディスプレー２０件、二次電池７件の順だった。


「犯罪収益１０００億ウォン、罰金２０億ウォン」…中国の産業スパイが韓国で横行する理由（２）