米国と英国が12日(現地時間)、紅海を通過する船舶を攻撃したイエメンの親イラン武装組織フーシ派の拠点を精密打撃した。前日にイラン海軍がホルムズ海峡近隣のオマーン湾で米タンカーを拿捕したことに対する報復攻撃だった。空襲を受けたフーシ派も直ちに報復を警告した。中東内の親イラン勢力と米・英など西側の軍事的対決が深まり、第5次中東戦争勃発の懸念までが強まっている。ウクライナ戦争とハマス事態に続く中東情勢の緊張で国際原油価格上昇圧力が強まるなどグローバル経済にも影響を及ぼす見通しだ。
AP・ロイター通信などによると、米英軍は12日、戦闘機・艦艇などを動員し、約100発のミサイルでフーシ派の拠点を精密打撃した。目標物はイエメンの首都サヌアと紅海の港町ホデイダなど16地域にあるフーシ派の武器庫や防空システムなどだ。少なくとも60カ所にのぼるという。今回の攻撃はオーストラリア・バーレーン・カナダ・オランダの支援を受け、射程距離が1250-2500キロのトマホークミサイルが使用された。米軍がイエメン内のフーシ派の拠点を攻撃したのは今回が初めて。
バイデン米大統領は空襲後に声明を出し「世界貿易ルートを脅かすフーシ派の前例のない攻撃に対応するため、イエメンの複数の目標物を除去することに成功した」と明らかにした。スナク英首相は「英空軍の戦闘機が標的攻撃遂行を支援した。今回の攻撃は自衛権のための制限的で必要な比例的措置」と明らかにした。韓国を含む10カ国は米英国軍の空襲を支持する共同声明を出した。
中東情勢はイランをはじめフーシ派・ハマス・ヒズボラ(レバノン武装組織)など親イラン勢力と米国・イスラエルなど親西側勢力が軍事的に直接衝突する局面に飛び火した。フーシ派のフセイン・アル・イジー外務次官は「米国と英国は高い代価を払うはずで、露骨な今回の侵略による過酷な結果を見ることになるだろう」と非難したと、アルジャジーラ放送が報じた。
すぐに国際原油価格は小幅上昇した。ウォールストリートジャーナル(WSJ)によると、12日、西部テキサス油(WTI)とブレンド油が約4%上昇した。原油の約70%を中東から調達する韓国市場にも影響を及ぼすおそれがある。
産業通商資源部はこの日、ソウル韓国貿易保険公社で「輸出非常対策班」会議を開き、船舶不足の可能性に備えて今月中旬から来月初めの間、北欧・地中海路線に計4隻の臨時コンテナ船を投入することにした。キム・ワンギ産業部貿易投資室長は「関連部処・機関と有機的な協力体系を構築し、輸出およびエネルギー需給への影響を最小化するよう対応する」と述べた。
当初、バイデン政権は中東内の紛争拡大を懸念してフーシ派への攻撃に否定的な立場だった。しかしフーシ派がイスラエルと戦争をするパレスチナの武装組織ハマスを支持するという名分で昨年11月19日から紅海で民間船舶を27回も攻撃したことで、結局、軍事対応に踏み切った。
西江大のキム・ジェチョン国際大学院教授は「ウクライナ戦争とガザ戦争に国力の相当部分を投入したという批判を受けたバイデン大統領は当初フーシ派への攻撃に消極的だったが、フーシ派の攻撃が大胆になると断固とした米国を見せるべきだという世論が強まり、攻撃を敢行した。今回の事態はフーシ派が自ら招いた」と説明した。
一方、イラン海軍は前日、オマーン湾海域で米国のタンカー「セント・ニコラス号」を拿捕した。イランはこのタンカーが自国の石油を盗んで米国に提供したと主張した。しかし海外メディアは、フーシ派の紅海攻撃と共にイランがオマーン湾付近のホルムズ海峡の安全を脅かしたと分析した。
韓国外大中東研究所のペク・スンフン研究員も「イスラエルが最近、ヒズボラ・ハマスの幹部をレバノン・シリア領土で攻撃し、親イラン勢力と直接衝突する可能性が高まると、米国がイエメン空襲で『イスラエルの背後には我々がいる。紛争を拡大するな』と確実な警告を送ったとみられる」とし「またブリンケン米国務長官が今回のイスラエル訪問でネタニヤフ首相らに対しても、これ以上状況を悪化させてはいけないと警告したはず」と話した。
イランの米タンカー拿捕と米国の即刻反撃で緊張感が大きく高まったが、専門家らは紛争が拡大する可能性は高くないとみている。ペク・スンフン研究員は「経済的に厳しいエジプトと内戦で余力がないシリア、紅海を世界経済拠点に構築しようとするサウジアラビアなどは参戦しないはず」という見方を示した。
国際原油価格に及ぼす影響も制限的という分析が出ている。対外経済政策研究院(KIEP)アフリカ中東チームのユ・グァンホ研究員は「原油価格が少し上がるかもしれないが、上昇幅がそれほど大きくないはず」とし「中東産原油に依存していた50年ほど前とは違い、2000年代にシェールガス採掘が本格化し、米国の原油生産量が最大規模になるなど市場状況が変わった」と説明した。
AP・ロイター通信などによると、米英軍は12日、戦闘機・艦艇などを動員し、約100発のミサイルでフーシ派の拠点を精密打撃した。目標物はイエメンの首都サヌアと紅海の港町ホデイダなど16地域にあるフーシ派の武器庫や防空システムなどだ。少なくとも60カ所にのぼるという。今回の攻撃はオーストラリア・バーレーン・カナダ・オランダの支援を受け、射程距離が1250-2500キロのトマホークミサイルが使用された。米軍がイエメン内のフーシ派の拠点を攻撃したのは今回が初めて。
バイデン米大統領は空襲後に声明を出し「世界貿易ルートを脅かすフーシ派の前例のない攻撃に対応するため、イエメンの複数の目標物を除去することに成功した」と明らかにした。スナク英首相は「英空軍の戦闘機が標的攻撃遂行を支援した。今回の攻撃は自衛権のための制限的で必要な比例的措置」と明らかにした。韓国を含む10カ国は米英国軍の空襲を支持する共同声明を出した。
中東情勢はイランをはじめフーシ派・ハマス・ヒズボラ(レバノン武装組織)など親イラン勢力と米国・イスラエルなど親西側勢力が軍事的に直接衝突する局面に飛び火した。フーシ派のフセイン・アル・イジー外務次官は「米国と英国は高い代価を払うはずで、露骨な今回の侵略による過酷な結果を見ることになるだろう」と非難したと、アルジャジーラ放送が報じた。
すぐに国際原油価格は小幅上昇した。ウォールストリートジャーナル(WSJ)によると、12日、西部テキサス油(WTI)とブレンド油が約4%上昇した。原油の約70%を中東から調達する韓国市場にも影響を及ぼすおそれがある。
産業通商資源部はこの日、ソウル韓国貿易保険公社で「輸出非常対策班」会議を開き、船舶不足の可能性に備えて今月中旬から来月初めの間、北欧・地中海路線に計4隻の臨時コンテナ船を投入することにした。キム・ワンギ産業部貿易投資室長は「関連部処・機関と有機的な協力体系を構築し、輸出およびエネルギー需給への影響を最小化するよう対応する」と述べた。
当初、バイデン政権は中東内の紛争拡大を懸念してフーシ派への攻撃に否定的な立場だった。しかしフーシ派がイスラエルと戦争をするパレスチナの武装組織ハマスを支持するという名分で昨年11月19日から紅海で民間船舶を27回も攻撃したことで、結局、軍事対応に踏み切った。
西江大のキム・ジェチョン国際大学院教授は「ウクライナ戦争とガザ戦争に国力の相当部分を投入したという批判を受けたバイデン大統領は当初フーシ派への攻撃に消極的だったが、フーシ派の攻撃が大胆になると断固とした米国を見せるべきだという世論が強まり、攻撃を敢行した。今回の事態はフーシ派が自ら招いた」と説明した。
一方、イラン海軍は前日、オマーン湾海域で米国のタンカー「セント・ニコラス号」を拿捕した。イランはこのタンカーが自国の石油を盗んで米国に提供したと主張した。しかし海外メディアは、フーシ派の紅海攻撃と共にイランがオマーン湾付近のホルムズ海峡の安全を脅かしたと分析した。
韓国外大中東研究所のペク・スンフン研究員も「イスラエルが最近、ヒズボラ・ハマスの幹部をレバノン・シリア領土で攻撃し、親イラン勢力と直接衝突する可能性が高まると、米国がイエメン空襲で『イスラエルの背後には我々がいる。紛争を拡大するな』と確実な警告を送ったとみられる」とし「またブリンケン米国務長官が今回のイスラエル訪問でネタニヤフ首相らに対しても、これ以上状況を悪化させてはいけないと警告したはず」と話した。
イランの米タンカー拿捕と米国の即刻反撃で緊張感が大きく高まったが、専門家らは紛争が拡大する可能性は高くないとみている。ペク・スンフン研究員は「経済的に厳しいエジプトと内戦で余力がないシリア、紅海を世界経済拠点に構築しようとするサウジアラビアなどは参戦しないはず」という見方を示した。
国際原油価格に及ぼす影響も制限的という分析が出ている。対外経済政策研究院(KIEP)アフリカ中東チームのユ・グァンホ研究員は「原油価格が少し上がるかもしれないが、上昇幅がそれほど大きくないはず」とし「中東産原油に依存していた50年ほど前とは違い、2000年代にシェールガス採掘が本格化し、米国の原油生産量が最大規模になるなど市場状況が変わった」と説明した。
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