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【社説】イラン凍結資金60億ドル解消、両国関係回復の準備しなくては

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
この4年余りにわたり韓国銀行に留め置かれていたイランの原油輸出代金60億ドルが解除された。韓国外交部と企画財政部はきのう、「これまで(米国の)対イラン金融制裁によって韓国に凍結されていたイランの資金が関連国間の緊密な協調の下で最近第三国へ成功裏に移転された」と発表した。今回の凍結資金解消は米国とイランが相手国の収監者を5人ずつ交換しその見返りとして行われた。収監者交換はイランのライシ大統領がニューヨークで開かれる国連総会出席を控えカタールが仲裁して実現した。

イランの原油輸出代金凍結はオバマ政権時代に結んだ「イラン核合意」を2018年にトランプ政権が否定して一方的に離脱し、イラン中央銀行を制裁リストに上げて始まった。当時韓国では中小企業銀行とウリィ銀行にイラン中央銀行名義の口座があったため、イランはこれを通じて韓国に石油を輸出した代金を受け取っていたが米国の制裁により資金が凍結され、韓国とイランの関係が急速に冷え込んだ。2021年には石油輸送の要衝地であるホルムズ海峡を通過する韓国の船舶と船員をイランが拿捕する事件も発生した。1月にはアラブ首長国連邦(UAE)に派兵された韓国軍部隊を訪問した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「UAEの敵はイラン」と発言しイランの激しい抗議を受けたりもした。

今回の凍結資金解除にもかかわらず、韓国とイランの関係が短期間で過去水準に回復するのは容易でなさそうだ。制裁理由となった核合意の利害当事国である米国とイランの関係回復が先行しなければならないためだ。米国は当面は対イラン政策を大きく変えないという。米国は凍結解除された資金が食料、医薬品、農産品などの用途にだけ使えるよう限定した。


韓国は同盟らしく米国と積極的に協調することが大きな方向では正しいが、埋蔵量世界4位の原油大国であるイランとの関係も最悪の状態で放置することはできない。ソウル・江南(カンナム)にはイランの首都の名前を取った「テヘラン路」が、イランの首都には「ソウル路」ができるほど両国は長い間友好関係を維持してきた。2017年まででもイランとの貿易規模は120億ドルを超えたほどに韓国の主要貿易相手国だった。だが米国とイランの関係が悪化し、間に挟まれた韓国企業が長期にわたり大きな打撃を受けたりもした。

バイデン政権は来年の大統領選挙を控え中東での存在感を強化するためイランとの核合意復元交渉や首脳会談など多様なカードを駆使する可能性があるとの観測も出ている。当面は完全な関係正常化が難しいが、韓国外交部は今回の凍結資金問題解決を契機にイランとの関係正常化に向けた多様な案をまとめて準備するよう望む。



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