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【コラム】国連軍司令官はなぜ文在寅政権に不快感を表したのか(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

2018年4月27日当時、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が板門店(パンムンジョム)「平和の家」会談場で南北首脳会談前に記念撮影をしている。[韓国共同写真記者団]

ロシアのウクライナ侵略戦争から1年8カ月が経過し、パレスチナの武装勢力ハマスのイスラエル奇襲侵攻が報復戦争につながっている。米国の影響力の死角地帯で発生した武力紛争の隙に「ならず者国家」北朝鮮の違法な武器が出没している。2、3つの戦争を同時にする米国の力量に疑問が提起される状況で北朝鮮の核・ミサイル脅威が強まり、大韓民国の安全保障が懸念される。

このように脅威が強まっているだけに、可用な安保資産を総動員してこそ平和を守ることができる。韓米同盟の強化はもちろん、韓日米の安保協力を拡大する努力が必要な理由だ。我々が保有する安保資産のうち重視されてこなかった存在が国連軍司令部(LNC)だ。北朝鮮の1950年の韓国戦争(朝鮮戦争)挑発直後、国連安保理決議(84号)で誕生した国連軍司令部は過去73年間、韓半島(朝鮮半島)の平和と安定を黙々と守ってきた。

ところが北朝鮮と中国を過度に意識するという指摘があった文在寅(ムン・ジェイン)政権当時、国連軍司令部は招かれざる客のように扱われた。3つ星将軍だった国会国防委員長、韓起鎬(ハン・ギホ)議員側によると、第20代大統領選挙の前日だった昨年3月8日、北朝鮮の軍人6人と民間人1人が乗った船が西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)を越えてくる事件があった。北朝鮮の警備艇が船を追ってNLLを侵犯すると、韓国海軍高速艇が40ミリ艦砲で警告射撃した。


船を白翎島(ペクリョンド)龍機浦(ヨンギポ)に曳航すると、海兵隊と軍事安保支援司令部(現国軍防諜司令部)が簡単な調査だけをし、国家情報院が主導する関係部処合同尋問もなく国防部の指示で大統領選挙当日の午後2時に北朝鮮に帰した。北朝鮮警備艇がNLLを侵犯した挑発行為は2018年9月の南北首脳会談での9・19軍事合意を初めて違反した事例だったが、うやむやになった。

当時の事情に詳しい軍事専門家A氏は「北の停戦協定違反かどうかを確認するために国連軍司令部が合同尋問をしようとしたが、文在寅政権の反対でなくなった」とし「国連軍司令部を無視するものであり、国連軍司令官(ポール・ラカメラ氏)側が強い不快感を表したという話が広まった」と伝えた。その事件の影響か、国連軍司令部は参謀部に派遣された韓国軍の領官(佐官)級将校40人を突然送りかえした。将校らは国連軍司令部幹部と交流して関係を築き、停戦協定関連の動向を把握しながら韓国の国家安全保障の大きく寄与してきたが、国連軍司令部を刺激したことでそのチャンネルが遮断されたのだ。


【コラム】国連軍司令官はなぜ文在寅政権に不快感を表したのか(2)

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