全羅北道扶安郡(プアングン)セマングムで開催されている第25回世界スカウトジャンボリーが劣悪な環境と未熟な運営で批判を浴びている。木が1本もない干拓地で約4万3000人が野営行事を開き、最高気温が35度に達する猛暑を避けるところが不足しているからだ。
3日現在、熱中症、虫刺されなどの患者が1000人を超えている。最大4000人の隊員団を派遣した英国・米国・カナダなど各国政府もこの日、在韓国大使館を通して韓国政府に安全措置を確認するなど事実上の抗議をした。
3日午後に訪問したソウル汝矣島(ヨイド)の3倍規模(8.84平方キロメートル)の干拓地に設けられた大会場所はまさに荒野だった。組織委員会が蔓のトンネル7.4キロと休憩場所1720カ所を設置したが、数万人が利用するには十分でなかった。隊員は行事場所のうち唯一エアコンが設置された「グローバル青少年リーダーセンター」に集まったが、患者を収容するだけでも狭いほどだ。このためエアコンが設置されているみやげ店やコンビニエンスストアが混雑した。
大会直前の豪雨のため大会場所のあちこちが湿っていて蒸し暑く、蚊ややけど虫(アオバアリガタハネカクシ)などに刺される人も少なくない。前日(2日)午後10時基準で虫刺され318人、熱中症207人など累計992人の患者が発生した。
◆「ゆで卵にカビ」「病床なく廊下で点滴」
3日も現場では全北消防本部が午後5時までに熱中症患者31人を搬送した。未熟な大会運営と施設の不備も深刻だった。トイレは不足して待たなければならず、さらにまともに管理されず一部は汚物がそのまま残っていた。男女の区別なくシートだけで区切り、内部が見えるなどシャワー室も劣悪だった。行事支援をした全北道庁の公務員が「国際的な恥」と嘆くほどだ。
SNSでは国内外の保護者と参加者の不満の声が続いた。ジャンボリー公式SNSには「ジャンボリーで何が起きているのか」「すべてのことがコントロールされていない。食べ物はなく、日射を避ける方法もない。まさに混沌としている」など、外国人の親からの批判もあった。成人指導者資格での参加者はオンラインコミュニティーで「(今回のジャンボリー大会は)嫌韓製造祭り」とコメントした。
◆木が1本もない干拓地にテント設置
2日に熱中症になった参加者はインスタグラムに「ソウルのコーヒーショップの半分にもならない救急室のためベッドが不足し、廊下で点滴を受けた」とし「失神した外国人が次々と運ばれてきて戦地の診療所のようだった」と怒りを表した。参加した子どもから現地の状況を聞いた保護者は「水が出ないため午前2時までシャワーを使えず、トイレは汚くて使用できないほど」とし「食事はまずくて量が少ない。売店は商品を高く売っている」と訴えた。続いて「子どもが『家に帰りたい。迎えに来てほしい』と伝えてきた」とし「外国人の友人も『この国のレベルはこの程度か』と話していて、恥ずかしいと言っている」と伝えた。
中学3年の子どもを行事に送った40代のイ・ヒョンウンさんは中央日報との電話で「(子どもから)暑いだけでなく、虫と蚊があまりにも多いと聞いた」とし「写真を見て驚いた。干拓地なので地面が良くなく、シャワー施設もテントだった。コンビニは30分以上の距離にあり、ミネラルウォーターの供給も十分でない」と吐露した。イさんは「9人が一緒に行ったが3人はすでに帰ってきた」とし「週末に子どもを迎えに行く」と話した。
前日までの累計患者のうち虫刺され(32.1%)患者が最も多かった。ほとんどがやけど虫によるものだった。疾病管理庁によると、やけど虫は「ペデリン」という毒性物質を分泌し、肌に付着するだけでやけどと似た炎症と痛みを起こす。
その次が熱中症(20.9%)だ。ある医療関係者は「トイレが汚くて参加者はトイレに行くのを避けるため水をあまり飲まないというが、脱水症状が懸念される」と話した。このほか日焼け(106人、10.7%)、その他の皮膚病変(73人、7.4%)、やけど(53人、5.3%)などが多かった。
食事にも問題があった。参加者は組織委員会から食材を受け、自分たちが料理をして食べる。ところがカビが生えたゆで卵が提供されたという。情報提供者は「卵をむくと黒いカビが生えていた」とし「時間通りに食材が支給されず日程に支障が生じた」と主張した。またコンビニはトイレットペーパー1ロールを2000ウォン(約220円)で、外部で2300ウォンのコーラを2500ウォンで販売するなど金稼ぎをしているという批判も出てきた。
こうした中でもジャンボリー組織委員会は「スカウト精神」を強調しながら「大きな問題ではない」という態度を見せ、参加者と保護者の不満を強めた。組織委側はこの日、批判が強まると、関係者の同行などの条件を設けて行事場所への出入りを統制し、メディアの取材まで制限して議論を呼んだ。
猛暑・やけど虫…リアル生存ゲームになった韓国スカウト大会(2)
3日現在、熱中症、虫刺されなどの患者が1000人を超えている。最大4000人の隊員団を派遣した英国・米国・カナダなど各国政府もこの日、在韓国大使館を通して韓国政府に安全措置を確認するなど事実上の抗議をした。
3日午後に訪問したソウル汝矣島(ヨイド)の3倍規模(8.84平方キロメートル)の干拓地に設けられた大会場所はまさに荒野だった。組織委員会が蔓のトンネル7.4キロと休憩場所1720カ所を設置したが、数万人が利用するには十分でなかった。隊員は行事場所のうち唯一エアコンが設置された「グローバル青少年リーダーセンター」に集まったが、患者を収容するだけでも狭いほどだ。このためエアコンが設置されているみやげ店やコンビニエンスストアが混雑した。
大会直前の豪雨のため大会場所のあちこちが湿っていて蒸し暑く、蚊ややけど虫(アオバアリガタハネカクシ)などに刺される人も少なくない。前日(2日)午後10時基準で虫刺され318人、熱中症207人など累計992人の患者が発生した。
◆「ゆで卵にカビ」「病床なく廊下で点滴」
3日も現場では全北消防本部が午後5時までに熱中症患者31人を搬送した。未熟な大会運営と施設の不備も深刻だった。トイレは不足して待たなければならず、さらにまともに管理されず一部は汚物がそのまま残っていた。男女の区別なくシートだけで区切り、内部が見えるなどシャワー室も劣悪だった。行事支援をした全北道庁の公務員が「国際的な恥」と嘆くほどだ。
SNSでは国内外の保護者と参加者の不満の声が続いた。ジャンボリー公式SNSには「ジャンボリーで何が起きているのか」「すべてのことがコントロールされていない。食べ物はなく、日射を避ける方法もない。まさに混沌としている」など、外国人の親からの批判もあった。成人指導者資格での参加者はオンラインコミュニティーで「(今回のジャンボリー大会は)嫌韓製造祭り」とコメントした。
◆木が1本もない干拓地にテント設置
2日に熱中症になった参加者はインスタグラムに「ソウルのコーヒーショップの半分にもならない救急室のためベッドが不足し、廊下で点滴を受けた」とし「失神した外国人が次々と運ばれてきて戦地の診療所のようだった」と怒りを表した。参加した子どもから現地の状況を聞いた保護者は「水が出ないため午前2時までシャワーを使えず、トイレは汚くて使用できないほど」とし「食事はまずくて量が少ない。売店は商品を高く売っている」と訴えた。続いて「子どもが『家に帰りたい。迎えに来てほしい』と伝えてきた」とし「外国人の友人も『この国のレベルはこの程度か』と話していて、恥ずかしいと言っている」と伝えた。
中学3年の子どもを行事に送った40代のイ・ヒョンウンさんは中央日報との電話で「(子どもから)暑いだけでなく、虫と蚊があまりにも多いと聞いた」とし「写真を見て驚いた。干拓地なので地面が良くなく、シャワー施設もテントだった。コンビニは30分以上の距離にあり、ミネラルウォーターの供給も十分でない」と吐露した。イさんは「9人が一緒に行ったが3人はすでに帰ってきた」とし「週末に子どもを迎えに行く」と話した。
前日までの累計患者のうち虫刺され(32.1%)患者が最も多かった。ほとんどがやけど虫によるものだった。疾病管理庁によると、やけど虫は「ペデリン」という毒性物質を分泌し、肌に付着するだけでやけどと似た炎症と痛みを起こす。
その次が熱中症(20.9%)だ。ある医療関係者は「トイレが汚くて参加者はトイレに行くのを避けるため水をあまり飲まないというが、脱水症状が懸念される」と話した。このほか日焼け(106人、10.7%)、その他の皮膚病変(73人、7.4%)、やけど(53人、5.3%)などが多かった。
食事にも問題があった。参加者は組織委員会から食材を受け、自分たちが料理をして食べる。ところがカビが生えたゆで卵が提供されたという。情報提供者は「卵をむくと黒いカビが生えていた」とし「時間通りに食材が支給されず日程に支障が生じた」と主張した。またコンビニはトイレットペーパー1ロールを2000ウォン(約220円)で、外部で2300ウォンのコーラを2500ウォンで販売するなど金稼ぎをしているという批判も出てきた。
こうした中でもジャンボリー組織委員会は「スカウト精神」を強調しながら「大きな問題ではない」という態度を見せ、参加者と保護者の不満を強めた。組織委側はこの日、批判が強まると、関係者の同行などの条件を設けて行事場所への出入りを統制し、メディアの取材まで制限して議論を呼んだ。
猛暑・やけど虫…リアル生存ゲームになった韓国スカウト大会(2)
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