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韓国と日本、どちらが「シュタッケルベルグリーダー」になるだろうか(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ここで少し告白したい。経済学ではリーダーやリーダーシップという単語はほとんど出てこない。利己的な個人が自身の利益のために最善を尽くせば結局「見えない手」が最善の結果をもたらすというアダム・スミスの原則に従うと、経済理論はあらゆる各自の個人プレーを仮定にする。現実でチームとして動くことがあまりにも当然の場合が多く、チームにはリーダーがいるが経済学の教科書では見つけにくい単語がリーダーである。

だがそれにもかかわらず、リーダーという単語が登場する経済モデルがある。「シュタッケルベルグリーダー」だ。シュタッケルベルグというドイツの経済学者が初めて考えた概念だ。一言で言うと目の前の小さな競争から抜け出し大きな絵を見ることができる人をいう。

例えば石油輸出国機構(OPEC)のサウジアラビアのような存在がまさにシュタッケルベルグリーダーだ。石油を輸出して金を稼ぐ国は少しでも自分の石油を多く輸出しようと競争するだろう。だがこうした競争をすれば石油が多く生産され石油の価格が下落することになり、そうして石油価格が下落すれば石油を輸出するすべての国には損害になるだろう。


この場合、圧倒的に石油の輸出量が多いサウジアラビアが石油の生産を減らすケースが多い。サウジアラビアとしては石油の生産を減らして石油の輸出量が減れば国の収入が減るため損害だ。だが石油輸出で圧倒的1位のサウジアラビアが石油の生産を減らせば石油の価格が上がることになる。他の複数の国もサウジアラビアの行動を見て石油の生産を減らすかもしれない。そうなると結局石油の価格が上がり、長期的にはサウジアラビアをはじめとするOPEC加盟国には利益になる。このように長期的な視野を持って目の前の利益をあきらめる行動を先にする国や企業を経済学でシュタッケルベルグリーダーと呼ぶ。囲碁の名人が数手先をあらかじめ読んでいるように、シュタッケルベルグリーダーは数手先をあらかじめ見通す能力があるのだ。

◇韓日ともに協力が必要なことは明白

もちろんエクアドルのような小さな国がサウジアラビアまねてシュタッケルベルグリーダーになろうと試みることはできるが、実際にリーダーになるのは難しい。世界の石油輸出でエクアドルが占める割合はとても小さいためエクアドルが石油生産を減らしたからと石油の価格は別に上がらないためだ。したがってシュタッケルベルグリーダーは産業を主導する強い国または、企業が長期的見通しを持って行動する時にだけ可能だ。

こうしたシュタッケルベルグリーダーの分析から見ると韓日関係の将来はどうだろうか。率直に言えば楽観できない。いまや韓国の国力が大きく強まり日本の国力は相対的に弱まった関係で両国間の力は一方的な強者と弱者の関係で見ることはできないということだ。シュタッケルベルグリーダーは圧倒的な力を持っている国や企業がひとまず譲歩して損害を甘受する時だけ可能だ。ところが韓国と日本は現在圧倒的な力を持つのがどちらなのか不確実な状態だ。

サウジアラビアがエクアドルに対し先に石油生産を減らしてリーダーシップを発揮しろといえばだれもが冗談だと考えるだろう。当然だれが見てもサウジアラビアがリーダーにならなければならない。だが現在の韓日関係では韓国はどうして自分たちが先に譲歩をしたのかと大統領を非難し、日本はもう韓国が日本水準に成長したため日本が先に損してリーダーの座を得る必要はないと感じているのだ。

もちろん圧倒的な力を持った強大国である米国が韓国と日本のシュタッケルベルグリーダーになって導くべきだが、米国が第三者で韓日関係のすべての事項に関与できないため韓日関係のホールドアップ問題を解くのは容易ではないだろう。だが韓国と日本の協力が両国ともに必要だということは明白なだけに、もう国力が成長した韓国が韓日関係でシュタッケルベルグリーダーシップを発揮することを考慮してみる時期が来ていると考える。

ハン・スング/延世(ヨンセ)大学経済学科教授


韓国と日本、どちらが「シュタッケルベルグリーダー」になるだろうか(1)

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