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【コラム】花吹雪を素直に喜べない理由=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

3月26日、鎮海軍港祭では全国から訪れた観光客が満開の桜を撮影しながら花見を楽しんだ。今年の軍港祭は4月3日に閉幕した。 ソン・ボングン記者

4月の初日、妻と一緒に登ったソウル西大門(ソデムン)鞍山(アンサン)では花祭りが始まっていた。隠れた桜の名所という名声にふさわしく道の名前からして「鞍山桜通り」だ。500メートルほどの桜通りの端にある休憩所に散る桜の花は花火の停止画面を見るようだった。山の頂上から見える東側の仁王山(インワンサン)のふもとには黄色いレンギョウと薄いピンクの桜が帯状に見え、新婦のスカートを飾っているように見えた。

この日、慶尚南道昌原(チャンウォン)では1週間前に始まった軍港祭がピークを迎えていた。10日間の軍港祭が終わる頃から北上しながら順に咲いていくのが桜の開花の従来の公式だった。ところがこの数年間は3月の気温が急激に上がり、全国で春の花がほぼ同時に満開する現象が繰り返されている。

ソウルの場合、今年、桜は平年より16日も早い3月25日に開花した。レンギョウが2週ほど、梨の花と桃の花は3週ほど早く咲いた。ソウル汝矣島(ヨイド)輪中路をはじめと、ソウルの主な桜祭りは今週末に予定されているが、平日に雨が降り、エンディングを迎える公算が大きい。


気象庁の分析資料によると、21世紀後半には朝鮮半島の春の開花時期が2月末になるという。一方、土の中から少し遅れて出てきた蜂は餌がない状況を迎える。花と蜂の活動不一致は受粉を難しくし、実が減る悪循環に陥る。温暖化とそれによる気候危機が招く小さな断面だ。

干ばつもそうだ。今年に入ってソウルの無降水日は79日で、南部地方は昨年秋から始まってさらに深刻という。全国の山は火種さえあれば燃え上がる状態だ。鞍山に行った翌日だけで全国で34件の山火事が発生した。過去3番目に多い。この日、ソウル仁王山でも大火災が発生した。住民が避難し、鎮火に丸一日かかった。前日に見たところでこのような山火事が発生し、遠くに見えた山が目の前で近づくようだった。

先月20日に発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書は、このような事態が今後さらに頻繁に、さらに広範囲で発生するという警告を含んでいる。IPCCは産業化以前に比べ地球の平均気温が1.5度高まれば取り返しがつかない状況になると警告してきた。専門家は気温上昇が炭素やメタンなど温室効果ガスのためという意見で一致している。すでに1.1度上がった状態だ。こうした危機感から各国政府から炭素排出を削減するという計画書を受ける成果を出した。

ところが第6次報告書の結論は以前よりも深刻だった。各国が提出した炭素削減案を誠実に守っても2030年に1.5度を超えるのが確実だという。これさえも守らなければ4.5度も上がるおそれがある。結果は深刻な猛暑と酷寒、長い干ばつと豪雨、海水面上昇、生物絶滅、縮小する穀物生産などだ。

報告書の内容は深刻だが、希望のメッセージもある。各国政府が追加削減に合意すれば、地球の温度上昇を1.5-2度に抑えることができるという期待だ。「適応と緩和」という新しい用語を動員して妥協の可能性も提起している。気候危機談論は少なくとも黙示録や終末論ではないという点を強調するようだ。6次報告書作成を陣頭指揮した李会晟(イ・フェソン)IPCC第6代議長は21日、中央日報のインタビューで「恐怖感を与えて二酸化炭素を削減できるなら地球温暖化はすでに解消したはず」と話した。

しかし期待とは違い、各国政府はすでに提出した計画も守ることができない状況を作っている。気候先進国というドイツは、ウクライナ戦争で天然ガスを十分に確保できず、中断していた石炭発電所を再稼働した。韓国政府も先月21日、2030年までの国家炭素削減目標(NDC)達成のための細部履行計画を大幅に修正した案を発表した。2029年まで少しずつ削減し、2030年に目標値ほど大幅に減らすというのが骨子だ。産業部門の縮小を減らして再生エネルギーと炭素捕集目標値も高めた。今は生活が優先という強力なメッセージが込められている。

李議長は「予算を超過して使えば借金をして利子を負担するように、二酸化炭素も限度を超過して排出すれば『地球の温度上昇』という利子を負担することになる」とまで語った。警告の意味だが、差し迫っている現象を説明する言葉だ。食事もできない人たちは利子の心配よりも飢えを避けようとするはずだ。やはり6次報告書は希望の歌より黙示録に近い。

チェ・ヒョンチョル/社会ディレクター



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