◇「米国制裁への参加拡散を阻止しようとする狙い」

マイクロンを越えてオランダや日本など米国の対中輸出統制に参加する国家を圧迫しようとする狙いがあるという分析もある。米戦略国際問題研究所（ＣＳＩＳ）のＧｅｒａｒｄ　ＤｉＰｉｐｐｏ上級研究員はブルームバーグで「マイクロンに対する調査は米国とその同盟国が輸出統制強度を高められないように圧迫するためのものであるかもしれない」と分析した。

実際、中国の談践オランダ大使は先月中国現地メディアとのインタビューで「オランダが先端半導体装備に対する対中輸出を強化するなら中国は我慢するばかりではないだろう」と警告した。


ＦＴは「今年『ウィズコロナ』元年を宣言した中国が経済成長のために企業により融和的な態度を取っているが米国の対中輸出制裁に関してはより多くの反撃を継続する可能性がある」とし「アップル（Ａｐｐｌｅ）のティム・クック最高経営責任者（ＣＥＯ）らグローバル企業家が先月末中国発展高官フォーラムを訪れて高位官僚に会うなど積極的な動きを見せたのもこれと関連がある」と伝えた。ＤｉＰｉｐｐｏ上級研究員は「中国がマイクロンの半導体や米国技術に対する中国の依存を懸念している可能性が高い。今後このような措置がさらに増えると予想する」と分析した。

◇技術劣勢の中国、報復措置拡大は未知数

ただし、半導体分野で中国が米国の輸出統制措置に対抗して応戦報復の程度と範囲を今後も拡大していけるかどうかは未知数だ。現在の状況で中国の半導体技術が米国や同盟国より低い地位にあるのは明らかであるため、戦線を拡大する場合、中国半導体産業が受ける打撃も相当なものになるためだ。

中国政府がメモリー半導体が主力であるマイクロンを問題視したが、エヌビディアやＡＭＤなど米国の輸出規制に従う高性能システム半導体メーカーにまで規制措置を下すことは容易ではないとの展望が出ている理由だ。海外金融投資情報企業「モーニングスター（Ｍｏｒｎｉｎｇｓｔａｒ）」のアナリスト、Ａｂｈｉｎａｖ　Ｄａｖｕｌｕｒｉ氏は「中国は自らの半導体エコシステムを構築するために攻撃的に投資してきたがこのうち自分たちが最も成功できる分野はメモリー半導体だと感じている」と伝えた。


「米マイクロン調査」半導体戦争の反撃に出た中国、報復レベル引き上げか（１）