半導体市場が不況に襲われる中でサムスンがいわゆる「タイヤが付いたギャラクシー」で危機打開に出る。車載用半導体など電装事業を拡大し未来主導権を確保しようとする布石と解説される。
サムスン電機は26日、先端運転支援システム(ADAS)に使用する電装用半導体基板(FCBGA)を開発し、電装用製品のラインナップ拡大に出ると明らかにした。今回開発した基板は高性能自動運転システム用で、技術難度が高い電装製品のひとつだというのが同社
の説明だ。既存の基板より回路線幅と間隔をそれぞれ20%減らし、35×45ミリメートルのチップに1万個以上のバンプ(チップを基板に連結するための伝導性突起)を実現した。
これに先立ちサムスン電子は米国の人工知能(AI)半導体専門企業アンバレラのADAS用システムオンチップ(SoC)「CV3-AD685」を先端5ナノファウンドリー(半導体委託生産)工程で生産すると明らかにした。自動運転車の頭脳に当たるこのチップはカメラやレーダーなどで入力した運転状況を車両のAIエンジンが自ら判断して制御させる役割をする。
これまで車載用半導体は先端工程競争をしてきた世界の半導体業界で大きな注目を浴びることがなかった。レガシー(成熟)工程で製造し、多品種少量生産品目であるためだ。半導体市場で占める割合も10%にすぎなかった。これに対しリスクは大きかった。欠陥があれば安全事故につながりかねず高い品質管理水準が要求されるためだ。テキサスインスツルメンツ(米国)、NXP(オランダ)、インフィニオン(ドイツ)、ルネサス(日本)などが世界市場で8割を占めてきた。
だが電気自動車・自動運転車が大勢に浮上して状況が変わった。自動運転機能の高度化に向け高性能半導体が必要になったためだ。需要も大きく増えた。韓国電子通信研究所によると、現在ガソリンやディーゼルなどを燃料とするエンジン自動車には平均200~300個の半導体が使われるが、電気自動車や自動運転車には1000~2000個以上が必要だ。
ここにAI導入が増え、サムスンだけでなくアップル、クアルコム、エヌビディア、テスラなども先を争って乗り出している。市場調査会社オムディアによると、車載用半導体市場は今年の760億2700万ドルから2028年には1298億3500万ドルまで拡大する見通しだ。
車載用半導体をはじめとする電装分野は李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子会長が力を入れている未来事業分野でもある。昨年11月にサムスン電機釜山(プサン)事業所、2月7日にサムスンディスプレー牙山(アサン)キャンパス、2月17日にサムスン電子天安(チョナン)・温陽(オニャン)キャンパスを訪れ、電装用基板・ディスプレー、電装に使われる半導体パッケージ技術などを視察したりもした。
サムスン電子を筆頭に、ハーマン、サムスン電機、サムスンSDIなどがすでに腕まくりしている。サムスン電子は昨年10月に米シリコンバレーで開かれたサムスンテックデー2022で「2025年に車両用メモリー市場で1位を達成する計画」と明らかにしている。
サムスン電機は主要事業部に電装専従組織を作り、半導体基板、カメラモジュール、積層セラミックキャパシタ(MLCC)分野で電装用製品の割合を拡大している。サムスン電機のキム・ウンス副社長(パッケージソリューション事業部長)は「技術力を基に電装用FCBGAのシェアを拡大していきたい」と話した。
サムスン電機は26日、先端運転支援システム(ADAS)に使用する電装用半導体基板(FCBGA)を開発し、電装用製品のラインナップ拡大に出ると明らかにした。今回開発した基板は高性能自動運転システム用で、技術難度が高い電装製品のひとつだというのが同社
の説明だ。既存の基板より回路線幅と間隔をそれぞれ20%減らし、35×45ミリメートルのチップに1万個以上のバンプ(チップを基板に連結するための伝導性突起)を実現した。
これに先立ちサムスン電子は米国の人工知能(AI)半導体専門企業アンバレラのADAS用システムオンチップ(SoC)「CV3-AD685」を先端5ナノファウンドリー(半導体委託生産)工程で生産すると明らかにした。自動運転車の頭脳に当たるこのチップはカメラやレーダーなどで入力した運転状況を車両のAIエンジンが自ら判断して制御させる役割をする。
これまで車載用半導体は先端工程競争をしてきた世界の半導体業界で大きな注目を浴びることがなかった。レガシー(成熟)工程で製造し、多品種少量生産品目であるためだ。半導体市場で占める割合も10%にすぎなかった。これに対しリスクは大きかった。欠陥があれば安全事故につながりかねず高い品質管理水準が要求されるためだ。テキサスインスツルメンツ(米国)、NXP(オランダ)、インフィニオン(ドイツ)、ルネサス(日本)などが世界市場で8割を占めてきた。
だが電気自動車・自動運転車が大勢に浮上して状況が変わった。自動運転機能の高度化に向け高性能半導体が必要になったためだ。需要も大きく増えた。韓国電子通信研究所によると、現在ガソリンやディーゼルなどを燃料とするエンジン自動車には平均200~300個の半導体が使われるが、電気自動車や自動運転車には1000~2000個以上が必要だ。
ここにAI導入が増え、サムスンだけでなくアップル、クアルコム、エヌビディア、テスラなども先を争って乗り出している。市場調査会社オムディアによると、車載用半導体市場は今年の760億2700万ドルから2028年には1298億3500万ドルまで拡大する見通しだ。
車載用半導体をはじめとする電装分野は李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子会長が力を入れている未来事業分野でもある。昨年11月にサムスン電機釜山(プサン)事業所、2月7日にサムスンディスプレー牙山(アサン)キャンパス、2月17日にサムスン電子天安(チョナン)・温陽(オニャン)キャンパスを訪れ、電装用基板・ディスプレー、電装に使われる半導体パッケージ技術などを視察したりもした。
サムスン電子を筆頭に、ハーマン、サムスン電機、サムスンSDIなどがすでに腕まくりしている。サムスン電子は昨年10月に米シリコンバレーで開かれたサムスンテックデー2022で「2025年に車両用メモリー市場で1位を達成する計画」と明らかにしている。
サムスン電機は主要事業部に電装専従組織を作り、半導体基板、カメラモジュール、積層セラミックキャパシタ(MLCC)分野で電装用製品の割合を拡大している。サムスン電機のキム・ウンス副社長(パッケージソリューション事業部長)は「技術力を基に電装用FCBGAのシェアを拡大していきたい」と話した。
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