バイデン大統領を乗せた飛行機はアンドリュース空軍基地を午前４時１５分に離陸した。ＡＰ通信はバイデン大統領がボーイングＢ７４７を改造したエアフォースワンの代わりに機体が小さいボーイングＢ７５７を改造した空軍Ｃ３２型を使ったと伝えた。航空機のコールサイン「エアフォースワン」の代わりに「ＳＡＭ０６０」を使った。スペシャルエアミッション（特別空中任務）の頭文字を付けたＳＡＭは政権高官を乗せた航空機に使う。

専用機はドイツのラムシュタイン空軍基地で給油した後ポーランドに入った。専用機がラムシュタイン基地からポーランド南西部ジェシュフまで飛行する約１時間半は追跡を避けるためトランスポンダーも消したという。

◇担当記者２人「ゴルフ場到着案内」メール受けて集結


バイデン大統領はポーランド南東部プシェミシル駅からキーウまでは列車で移動した。午後９時１５分に出発して１０時間ほどかかる。列車には寝台車が用意され、保安要員であふれていたと記者団は伝えた。

バイデン大統領と専用機に乗って移動したのは少数だ。サリバン補佐官、ファイナー副補佐官、ホワイトハウスのベディングフィールド広報部長が搭乗した。大統領取材に同行するホワイトハウス記者団は通常の１３人より少ない２人だけ乗った。

選ばれた２人の記者は１７日に通知を受け秘密維持を誓約した。出発約１３時間前に電子メールを通じて集合場所と時間を伝えられた。電子メールの件名は「ゴルフトーナメント到着案内」だったと記者団は伝えた。

１９日午前４時１５分、漆黒の闇の中で専用機は機内のすべての窓を閉めたままアンドリュース空軍基地を離陸した。出発前に保安要員に提出した携帯電話などの電子機器はキーウで最後の日程である米国大使館で返却されたという。２４時間をはるかに過ぎてからだった。

◇５時間滞在…自由なキーウ散策した両首脳

バイデン大統領はこの日午前８時にウクライナ国旗を象徴する黄色と青のストライプ柄のネクタイを締めキーウのマリア宮殿に到着した。ワシントンを出発して２２時間ぶりだ。

バイデン大統領はゼレンスキー大統領夫妻の歓迎を受けた後、「米国大統領が攻撃が始まった日にここにいることが重要だと考えた。私は国の独立、主権、領土保全に対するわれわれの変わらぬ支持を示すためにここにきた」と話した。

バイデン大統領はまた「戦争でウクライナに対する米国の支援に対して何も疑わないことが重要だと考えた。いくつかの問題に対する議会の意見不一致にもかかわらず、ウクライナ支援に対しては重大な合意がある」と明らかにした。

バイデン大統領は短い演説でウクライナへの５億ドル規模の追加軍事援助を発表した。ゼレンスキー大統領と会談した後、聖ミハイル大聖堂前をともに歩いた。サリバン補佐官が説明した自由なキーウの地で両首脳がともに立つ姿だった。バイデン大統領は米国大使館に立ち寄った後、午後１時過ぎにキーウを離れた。５時間にわたるサプライズ訪問が終えられた。


「ポーランドに行く」と見せかけて…ウクライナ訪れたバイデン大統領サプライズの５時間（１）